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【拝啓君へ−2】
ーーー君が自殺した。
そう聞いた時は、意識が遠退く程の衝撃を受けたのを覚えている。
そして、其の後に訪れた感情は···喪失感。
君の『自殺』がほぼ確実と化した時、友人であった俺も周りから色々訊かれたが、頭が上手く回らずに唯「分かりません」と繰り返すばかりであった。
何故、どうして····
何度自問自答しようと、一向に答えは出ないまま、もう3日が過ぎた。
「夜深····」
君の、下の名前を口に出す。
途端に、落ち着いた筈の喪失感が溢れてきた。
君の死を、どうやっても完全には受け入れる事が出来ない。
君はもう居ない。
解っている。
なのに······
そんな俺を見て君は、何を思うのだろうか。
「気にするな、くだらない。」と、いつものように嗤うのだろうか。
それとも··
それと、も······?
ーーー解らない。
きっと、いくら考えても答えは出ないのだろう。
君の事は誰も解らない。
······もしかしたら、君ですらも。
【拝啓君へ】は全て、雨宮視点となる予定です。