現代病床雨月物語 秋山 雪舟(作) 第4話 「正岡 子規に励まされて」
2016年の秋、私は39度5分の原因不明の高熱が出たため病院に入院していました。体調の状態は最悪で男のシンボルに管を通され強制的に排尿の措置がとられ後ろの腔門は腫れと少し出血の為大人用紙オムツをしていました。また一日一回は襲ってくる38度を超える熱のためヘトヘトの状態でした。まさに「前門の虎と後門の狼」に襲われ絶対絶命の危機的な惨めな状態になっていました。
しかし人間とは不思議なもので苦しくとも時間があるのでいろいろと考えてしまいます。私はこんな状態の時に他の人や先人達は何を考えていたのだろうとふと思いました。
その時に真っ先に頭に浮かんだのが『正岡子規』でした。彼はなぜ病床にいながらあんなにも明るかったのかとおもいました。不治の病をかかえながらも俳句を創りだす彼の精神力はすごいものです。
彼が活躍した明治という時代は少なくとも彼を含めて3人の天才が活躍したと思います。一人は「夏目漱石」で漱石にはノイローゼになったという一時の暗さを見ることがあります。二人目は、日本海軍の天才・「秋山真之」海軍中将です。彼も日本海海戦でバルチック艦隊を撃滅した後は何か暗さを感じます。
しかし三人目の『正岡子規』だけは彼らより常に死が隣り合わせでありながら何故か暗さを感じないところがあります。例えるなら、「太閤秀吉」が「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」みたいな明るさを感じます。『正岡子規』ならどんなに暗くとも「くらいなら自ら光ってみせようホトトギス」みたいな自分自信の光で自分を取りまいているこの世を明るくしようという気概を強くかんじます。『正岡子規』先生へ、今苦しくとも明日の明るさを確信して私も明るくガンバリます。