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プロローグ 12歳

ミチャスはスラベスにベスという名前を付けた


ミチャスはプルとベスを観察していた

プルはベスの上に乗ろうとして滑り落ち、次はベスがプルの上に乗り滑り落ちる


「プル、ベス」


ミチャスが声をかけるとベスは瞬時にこちらに向かってくる

プルはその場でプルプル震えた後ゆっくりこちらに向かってくる


「これは種類が違うからなのかな?それとも正確なのかな?」


ミチャスは「モンスター図鑑 第1巻」を開きスライムの項目を確認する


「ミチャス」


「あ!父さん!」


「12歳の誕生日おめでとう」


「ありがとう父さん!」


「今年もプルとベスを観察して気付いた事を教えてくれないかな?」


「うん、わかった」


ミチャスは日記を取り出し、ページをめくりながら答える


「プルとベスは言葉を理解しているのがわかったよ」


「ほう、なんでわかったんだい?」


「プル、ベスの上に乗って?」


プルはゆっくりと動きベスの上に乗る


「言葉を理解していないと伝わらないよね?」


「そうかそうか」


「モンスター図鑑が間違っている事もわかったよ」


「どういうことだい?」


「モンスター図鑑ではスライムとスラベスの能力に違いはないって書いてあったけど、スラベスのが素早いし、言葉に対する反応も早いよ、もしかしたら性格なのかもしれないけど…」


「ふむ、それは父さんも知らなかったな」

「じゃあ今年の誕生日プレゼントだ」


父のカバンの中から緑色の何かが飛び出した


「ポイスラ!」


「よく見分けがついたね、グリスラと判別が難しいだろうに。」


「違いは体の中に泡があるかどうかだよね!」


「そうだ。今年はもう一つ」


父は鞄の中から一冊の本を取り出しミチャスに手渡す


「モンスター融合入門?」


「そうだ、モンスターは融合させて進化させていくんだ」


「ありがとう!父さん!」


プルはベスの上から滑り落ちている

ミチャスは本を片手にポイスラを撫でながら微笑んだ

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