プロローグ 11歳
ミチャスは今日もスライムと向き合っていた
「ねぇプル、君は僕の言葉を理解しているのかな?」
プルというのはスライムにミチャスが付けた名前だ
スライムはプルプル震えている
「もし僕の言葉がわかるなら一回だけ大きく震えてくれるかな?」
スライムは相変わらずプルプル震えている
「うーん、やっぱり伝わってないのかなー」
「ミチャス」
「あ、父さん!」
「11歳の誕生日おめでとう」
「ありがとう父さん!」
「今年はプルと過ごして気付いた事を聞かせてくれないか?」
「うん!いいよ!」
ミチャスはポケットから日記を取り出し、ページをめくりながら答える
「えぇと、プルは初めの頃は全く動かなくてずっと震えてたけどプルって名前をつけて1ヶ月くらいでよく動くようになったよ!」
「そうかそうか、それで?」
「それから、半年後くらいから声に反応するようになったんだ」
「最近はプルって名前が自分の名前ってわかってるみたいだよ」
「ふむ」
「最近はプルが言葉を理解しているのか試していたんだよ」
「なるほどな、プルは言葉を理解していたかい?」
「うーんわからないかな」
「そうかそうか、じゃあ今年の誕生日プレゼントだ」
父のカバンの中から赤色の何かが飛び出した
「あ!スラベス!」
「正解だ」
プルはミチャスに寄り添いプルプル震えている
ミチャスはスラベスを抱いて微笑んだ