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転生王子のライフチート(リメイク中)  作者: アースウェル
生まれ変わった時から不死になりました!(リメイク前)
9/14

暴虐切り裂く蒼き光

ユニークがもう1000越えちゃうよ。

Pvも4000いっちゃった。



もうこっち本腰いれるしかなくない?

 敵は、道の向こう側とこっち側で別れてきた、およそ100体。子供がほとんどと言うことで甘く見られているのだろうか?

 降りて来る速度から見積もって、接触するのは恐らく1分後、自警団が十分なほどにいれば、陣形を組み直すくらい出来るだろう。


 しかし、こちらに残ったのは見たところ3人。ナルシアと僕を入れても、戦えるのは5人だけだ。

 おまけに今回は防衛任務。

 別に転生してからこれまで、なにもしてこなかったわけではなく、父との稽古で自分の身は自分で守れる程度にはなったが、僕の本領であろう大盾は未だこの手にない。

 ユニークスキルが目覚めていれば希望が見えるが、それもない。


(どう考えても戦力不足。残された道は避難先まで走り抜ける・・・!)


 僕は走りながら考えた案を伝える。


「弓持ちは子供たちを誘導しろ!盾持ちと槍持ちは側面について追いすがる敵を引き剥がせ!ナルシアは2人から抜けたのに対応して!」


「「「おう!」」」


「分かりました!」


 僕らは走りながら陣形を作り、子供たちを囲うと、いっそう速度を上げて走り出す。

 早く動けないものは大きいものが背負い。出来る限り密集して的を小さくする。


 そしてついに、魔物が僕らに牙を剥く。


 最初に飛びかかってきたのは、錆びたボロボロのナイフを手にした緑色の子供のような魔物。ゴブリンだ。


 竜の眼は全てを見通す事ができるが、代わりに全てを見通すには、時間がかかる。

 ここは相手の手札(スキル)を見極める!


---------


名前:------ -歳


種族:------


レベル:-


生命力:-

魔力 :-

攻撃力:-

防御力:-

敏捷力:-

運命力:-


●種族スキル

○異種族妊娠


●スキル

○短剣:C


---------

 種族スキルには一言申し付けたいが、一番強いのはこの程度で、後は棍棒とか剣のDランクがいるだけだ。弓などの遠距離武器はハイドしている敵にもいなかった。


 とりあえず、遠距離攻撃は心配しなくて良いので、目の前のゴブリンに集中する。


 拳を構え、竜の鱗を発動する。これだけなら、取り合えず魔力は消耗しない。その分脆いが、ゴブリンの一撃なら何度でも受けきれる。


(大丈夫だ。僕のやることは---殺すことじゃない)


 いよいよゴブリンがナイフを僕に向かって降り下ろす。

 ステータスを確認した後気付いた事だが、竜の眼には特殊な能力に加え、化け物じみた動体視力がある。

 それをフルに活用し、僕は竜の鱗に滑らせるようにナイフを受け流し、それが地面にぶつかるとき、踵で踏みつけ、刃をへし折った(・・・・・)

 ゴブリンは大きく体を揺らし、それでもこらえて両足で立つ。

 そして、振り返る瞬間、軸足に足を引っかけ転かすと素手でゴブリンの足を持ち、後続のゴブリンに投げつけた。


 縺れ合うように団子になるゴブリンたちは、協調性もなく我先に立ち上がろうとして上手くいかず、じたばたもがいている。

 そしてそのまま走ってくる3つ目の群れに潰される。その中にも足を引っかけて踏まれて息絶えるゴブリンが出て、それにも引っ掛かるという連鎖が起こる。


 多くの人は、そのまま殴って倒した方が楽だと言うだろう。

 だが、これにもやむを得ない訳がある。


 この世界には『レベル』という概念がある。

 僕の攻撃力はB判定だ。だが、レベル1(・・・・)のB判定にすぎない。

 母が言うには、『レベルとは魂の格』らしい。

 勿論。同じレベルの物同士で、ランクに差があると、大きい方に分がある。が、判定で劣る物でも、10もレベルで勝れば、勝利を納められるというのだ。


 とどのつまり、B判定だが、レベル1のままの僕で、殺しきれる自信がなかったのだ。


 よって僕が選んだ手は時間稼ぎ(・・・・)だ。

 面倒だがこれが生き残るに最適な手段だろう。


 群れから離れた個体を、無力化して投げる。他にいないときは股関節を外して予備の弾として放置する。これを延々と繰り返し、敵の気を引く。

 たまに適当に投げられた武器が飛んできたりするが、全て僕と盾持ちで叩き落とす。


 そしてゴブリンが残り10匹になったとき、ナルシアの声と共に希望が見えた。


「坊ちゃっま!(ふもと)がみえました!」


「よし!後もう一押しだ!」


「「「オォ!!」」」


 麓が見えたなら避難先まで目と鼻の先だ!このまま逃げ切る!


 子供たちみんなが坂を下りきり、森へ駆け出す---




 ---プキュ---




 ---その刹那、どこかで蛙が潰れたような声がした。




『ピキュァァァアアアアアア!!!!!!!!!』


「ガッ!!?」


「これっ、は・・・!」


「マンドラゴラ、だと!」


 辺り周辺に悲鳴の爆音が撒き散らされる。


 マンドラゴラ。元の世界では死を呼ぶ叫びをあげるとかなんとか言われていたが、ここではせいぜい叫ぶしか脳がないキノコだ。問題は馬鹿みたいなそのボリュームだ。

 普通だと皆踏まないように注意したり、耳栓をしたりと対策はするが、今回は不意打ちだ。

 子供たちは両耳を押さえて踞り、自警団も片膝を地面に落とす。

 しかし、彼らはすぐ立ち上がり、避難を再開しようとした。


 ---だが、事態は深刻だった。


『みみが、みみがぁ・・・!』


『きこえない、なんにもきこえないよぅ!』


 村には、ナルシアのような獣人がたくさんいる。そういうもの達は、大抵五感が他の種族より高い。

 そして、今回それが仇となり、獣人達はほとんど皆が聴覚に異常をきたしていた。それを逃れたナルシアも少し足をふらつかせている。


「くっ!早く騒ぎを止めないと」


 僕は離れたところから子供たちの方へ走り出す。


 その時、木の影から大きな影が見えた。


 いつから、その存在を忘れていたのだろう。


 それは、山の頂上に立っていた影に瓜二つだった。


 その魔物は一直線に---子供たちに向かっていた。


「くそっ---たれーーーーーー!」


 子供たちは走ってくる魔物に気付いたようだ。皆が近くで踞る獣人達を支え、歩き出す。


 魔物はその努力を笑うかのように、集団の最後尾に手を伸ばし、その大きな手のひらで、幼ない命を摘み取りにかかる。


 僕は、勢いを更に増して子供の元まで駆け寄り、背中を押し出してから、魔物の掌に包まれた。


 ---ブチュ---


「ごふっ!」


 静かに下半身がつぶれ、上半身がこぼれ落ちる。あちこちから悲鳴が聞こえるが、その手から漏れた所から、下半身が元に戻っていく。


 まだ、即死じゃない。

 僕は体勢を立て直し、再生した両足で地面に立つ。


 そして僕は魔物の顔を強く睨んだ。


---------


名前:なし 10歳


種族:オーガ


レベル:20


生命力:A

魔力 :E

攻撃力:B

防御力:B

敏捷力:D

運命力:E


●種族スキル

○自己再生

〇狂戦士


●スキル

○格闘:B

○投擲:B


---------


「レベル・・・20」


 ここまで来るともう時間稼ぎもなにもない、倒そうにも自警団やナルシアがいても火力不足。敏捷は低いが歩幅が大きく引き離せず、もし逃げれたとしても投擲で攻撃を受ける。


「一体どうすればぁっ!」


 考えてるからといってオーガは止まらない。魔力を全力で竜の鱗に注ぎ込むが、紙のように引き裂かれ、受けた右腕が弾け飛び、体も大木に叩きつけられる。


 そこから先はただの蹂躙。

 オーガの一撃は竜の鱗もものともしないのに対し、僕の拳はオーガの硬い皮膚に拒まれる。

 殴られ、抉られ、潰される。遂に大木は衝撃に耐えきれず、オーガの拳は僕ごと大樹を貫いた。


 自警団の怒声にナルシアの悲鳴が頭に響く。


 どれだけ死ななかろうがこれは効いた。視界がぐわんぐわんと揺れ、思考が黒く染まりそうになる。精神まではそう無敵とはいかないのだ。

 それでも立ち上がろうと足を立てようとしたとき、足に違和感を感じたのだ。足が地面に埋っていたのだ。


「くっ!抜けない・・・!」


 徐々に近付くオーガの足音。その眼に映るは好奇の感情。

 このままでは遊ばれるだけ、遊ばれ続けるだろう。


 だが、それでも子供たちからは意識は反らせた。あとはこのまま僕が的になれば。

 そしてオーガの拳が僕の脳天めがけて飛んでくる---その瞬間、視界が金色に染まった。


 それは幼なじみの背中だった。


「このっバカ!!」


 この10年間。もう見慣れてしまった小さい背中。このときだけは、見たくなかった。


 このままでは潰れてしまう。


 死なない自分のために、無駄に命を捨ててッ!!!


「そんなのッ!認めねぇぇぇえええ!!!!!!」


 ---そこで僕の意識は途絶えた。


---------


「なに、これ」


 急に世界が蒼く包まれた。


 何か魔物が攻撃しているのかと思ったけど、そうじゃない。


「あたた、かい?」


 勿論こんな光景は見たことない。だけど、懐かしい感じがする。


 そんな優しくて幻想的な世界は、すぐに空に溶けて消えた。


「そうだ、魔物は?」


 突然の異変で驚いたけど、ついさっきまで魔物の攻撃が迫っていた。なのにまだ何も起こっていない。


 咄嗟に魔物の姿を眼に映し、驚く。


 ---そこにはただの肉片しか残っていなかった。

ここでもう一章切ろうかな?それとも続けようか・・・。意見もらえたら嬉しいです。

8/28違和感のあるとこを修正

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