幼なじみです
ユニーク500ごえにPv1500ごえかー。
・・・期待が重くて勤労精神に目覚めそう。
特に事件らしい事件はなく、僕は2才になった。
強いて言うなら、僕が発音練習のために「ママ」とか「パパ」とか言ってみたら、両親ともに狂喜乱舞して騒ぎが起きたことぐらいだろうか。
ちなみに暴走を押さえていたナルシアも、日を置いて「しあ」と呼んだら溶けた。
そんな僕は母に連れられ、井戸端会議に参加しています。
昔からこんな風景は語られてはいるが、実際に巻き込まれるとここまで退屈なんだな。さっきからちょくちょく話しかけてくる奥様方(とても若くておばさまとか死んでもいえない)ににぱっと笑って返すくらいしかやることがない。
「それとね、それとね、アインちゃんはね---」
さっきから何度もそのフレーズ聞いてますよ母よ。いい加減帰りたいんですけど。
そんなことを思っても、母は全く動き出す気配すら起こさない。
はあ、どうしようか。ナルシアがいたら直ぐにでも頼んで一緒に帰るのに。
そしてそのフレーズをあと3回聞いたあと、新しい奥様が会話の話のなかに加わったかと思ったら。僕と同じくらいの年の女の子が手を引かれているのを見た。
髪は僕のようなストレートのそれではなく、柔らかくフワッと膨らんだような首まで伸びる金髪。瞳はサファイアのような青だ。表情はなんだかぽけぽけしていて、放置していたら今すぐにでも眠りそうだ。
その子も最初は大人しく話に混ざっていたが、次第に飽きてきたらしくあっちこっちに目をやっている。
そしてついに視線に僕の姿が映ったかと思うと、僕の方にてくてく歩いてきた。
そして僕の目の前に立つと---
「あそぼ?」
「え?---」
急に腕を引っ張られて母たちと別方向に引っ張っていった。
急に僕がいなくなると母が正気を失うのは実験済みなので、出来るだけ離れたくはない。
どうにかして女の子を止めようと口を開く。まずは相手の要求を聞こう。こう言うときまだ、口の動きが未発達な相手でも意思疏通が十分とれる念話は便利だ。これでGやムカデなどを退けた回数も少なくない。
「どこいくの?」
「まるたがあるところ」
丸太か。それがある場所と言ったら。木こりのジャバックさんの木材置き場か。ってあそこここからいくと1時間はかかるんですけど。
見た目に反して結構アクティブなのかな。
「なにしてあそぶの?」
「おひるね」
寝るの!?わざわざ1時間歩いて着いた先で!!?
そこにはなにか僕の知らない境地があるのかも知れないが、出来れば2才児の頃からそんな肉体労働は味わいたくなどない。
「そのまえに、おなまえをおしえて?」
「・・・いいよ」
どうにか目的を忘れさせようよ気を反らせようととっさに口を開くと、女の子も渋々話に乗ってくれた。なに?そんなに寝たいの?
「それじゃ、ぼくはアイン。きみは?」
「リズニア」
よし。名前を聞いてるうちに代案を考えられた!これで納得してもらおう。
「それで、リズニア。おひるねだけどあそこのしばじゃダメかな」
「なんで?」
「あんまりおかあさんたちをしんぱいさせたくないからね」
「なら、わかった」
よし、納得してもらえた。そう決まるとすぐさまリズニアは芝の上に僕を引き倒し、そのお腹を枕にして眠ってしまった。
時たま風が吹き、女の子特有の甘い香りを感じとることができたので、嫌と言うわけでもなかったが、それでも膝枕に留めて貰いたかった。
結局、昼寝は井戸端会議が終わって、ニヤニヤした僕の母とリズニアの母がやって来るまで続いた。
このまま、平穏と幸福と、ほんの少しの不自由の混在した日々はずっと続いていくのだと、僕は疑っていなかった。
一応ここが舞台じゃないのでテンポよく行きますよー