転生しました
いきなりブクマが来たのはなくほど嬉しいですが。過度な期待はされないようお願いしたいです。あまりの嬉しさとプレッシャーに死んでしまいます。
眠たい。
・・・肉体が無いのに睡眠なんて不要です。働いてください。
そんなこと言ったってワシ等が動かにゃいけない案件もここ暫くないぞ?
頭に蛆でもわいたのですか?通常勤務を忘れていますよ?早く新しい魂を導いて下さい。
あー、あれ?本当何で引き受けたんじゃろ?
今からでも誰か変わってくれんかの?
・・・もぎますよ?
な、なんでもないわい。
さーて今度の奴はどんな奴かの?
・・・・・・なんじゃ、これは?
どうしたんですか?
見ろ。この魂。何かが混ざっておる。
・・・『イレギュラー』ですか。今回はどんな子なんですか?記憶の消去は?
魂の本体はこれ以上無い善人じゃ。記憶に軽く目を通しただけで、他人の災難を三桁はかぶっとる。ここまでとなると見てきたどの魂より尊く思えてしまうわい。
記憶の方は混ざり物が邪魔でどうにも出来ん。下手したら廃人になるな。
そうですか・・・どうなさるおつもりで?
ふむ・・・彼にはアレを授けて見ようと思う。いや、それだけでは不十分か。ステータスも融通しよう。
・・・これは、分の悪い賭になるかと思いますが?サービスも少々大きすぎるかと。
大丈夫じゃ。これまでの記憶からしても変なことには使うまい。彼なら、きっと上手く出来る。
そうでなくとも、正しきものには褒美をやらんと。『神』の名が泣くわい。
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最初に聞こえたのは複数の人の足音だった。
まぶたは重く。まだ目を開けられそうにない。
(あれ?生還した?あの絶望的な状況で?)
自分でもにわかには信じられないが、意識があると言うことはそういうことなんだろう。
一体どんな奇跡が起こったのかは一切不明だが、僕が生きてることは確かだろう。
だとすると今直面してる問題は---
(二人に顔合わせ辛いなー・・・)
ドラゴンにとどめを刺されそうになる直前。あんな詰まらない遺言を残したのだ。
霜切さんなら大丈夫だろうけど、恭介は絶対にからかってくるに違いない。
(今から黙らせる手段でも用意しておかないとなー・・・)
だが、普段弱みを握る側なので、いざ獲物になったときの対処には慣れていない。いくら考えてもいい案が浮かばず億劫になり、苛立ち紛れに左手で頬を掻こうとするが中々体がいうことを聞かない。あれだけ痛め付けられたのだからそれが当然な気がするが---
(っ!あれっ!?)
だが、その次の瞬間そこにあった違和感、気づいてしまった。
(なんで左腕の感覚があるんだ・・・!?)
僕の左腕は、ドラゴンに食べられたはずだ。いくら現代の医術レベルが高いからといっても、それにも限度がある。
先程は面倒だったからやらなかったが今回は緊急案件だ。
まぶたを力を振り絞って無理矢理こじ開けて左腕の方を見る。
そこにはまごうことなき己の左腕があった。
だが、それだけじゃない。問題はそこだけじゃなかった。
---それはどう考えての赤ちゃんの左腕だったのだ。
(バカな!これが僕なのか!?これじゃあ、これじゃあまるで---)
「あー!うー!」
確認にしゃべろうとしてもしっかりとした言葉を発することも出来ていない。
そして、それに続くかのように部屋の扉が開き、閉じられ。数回の足音のあと上から20代程の女性の影がかかる。
そしてその艶やかな唇からこんな言葉が紡がれる。
「おはようアイン!いい朝ですね~!お母さんが来ましたよ~!」
その後軽々と僕を持ち上げた美女から発せられる挨拶。これでようやく確信した。
あのとき、僕は確かに死んだのだ。だから、ここにいる僕は仁堂徹也ではない。そして出てきた己の物であろう名前。
ならば答えは1つだろう。
(僕は・・・転生したのか!?)
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