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物語の切れ端。  作者: 空月


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つくられた『悲劇』の終焉へ





 その崩壊は、目に見えていた。


 それを恋と呼ぶのも、愛と呼ぶのもおこがましい。そんなものだったから。



 いつかいつかの、話だった。



 ――だから俺は、同じ轍は踏まないと、今生で誓ったんだよ。


 そう、彼は言った。それは本当のことだろうし、彼がそのために様々に手を回したことも知っている。

 けれどやはり、崩壊は目に見えていたのだ。



「……ああ、やっぱり、今回も、」



 ひとりきりの部屋で、呟く。


 わかっていた。こんな歪な、恋とも愛とも呼べないような感情と関係の果てに、何が待つのかなんて。

 それでもここまで来てしまったのは、もしかしたら、なんて、そんな淡い期待をどこかで持ってしまっていたからなんだろう。



 しあわせに、なんて。


 なれるはずも、なかったのに。




 一度目の悲劇が、私の運命と彼を狂わせた。

 そうして繰り返す。終わりのない悲劇を。


 もう、私と彼とのあいだに、私達自身の感情なんて、なくなってしまっても。



 彼はこれを『二度目』だと思っている。

 だけど私は、数え切れないくらいの繰り返しの果てだと知っている。

 その差異が、どこから来るのかも。


 壊れてしまった。かつての恋も、愛も。

 そう口にすれば、まだ壊れてはいないのだと彼は言うだろう。そう言う彼こそが壊れてしまっているのも、忘れてしまっているから。


 繰り返す。何度でも。


 到れるはずのない『幸福な物語』を目指して。


 それが、一度目の悲劇の最中に悪魔に魂を売った、私と彼の『運命』だった。


 だけど、そう。

 もう、この悲劇の舞台は続かない。続けさせはしない。

 何に換えても、私がそうはさせない。


 彼の魂が、本当に壊れてしまう前に。


 それだけが、今の私の望みで――覚悟、だった。




お題:壊れかけの恋愛 制限時間:15分 で挑戦したもの。


スランプ気味だったので雰囲気小説。なんとなくで理解していただけたら幸い。

いろいろ壊れ気味なひととのちょっとコメディ風味な恋愛話と迷ってこっちにしたんですが、多分コメディの方がよかった気が。オチ的な意味で。

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↑反応があると軽率に続きを書いたりするかも
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