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物語の切れ端。  作者: 空月


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33/72

その愚鈍さを優しさと呼ぶなら





 彼女の善意はどうしようもなく空回りする。もうそういう星の下に生まれたとしか思えないレベルで。

 迷子を見つけて保護すればすわ誘拐犯かと勘違いされるし、落とし物の財布を拾えばスリかと疑われる。

 僕としては前者はまず彼女の外見からして誘拐に向かないだろうと言いたいし(彼女は年齢性別を加味しても小柄だ。特に体を鍛えてるわけでもないので子供が抵抗すれば持て余すのは確実だったりする)、後者は中身を見る前に店員や警察に直行しているのに有り得ないと思う。ただ届けに行く前に持ち主が現れるだけで。


 つまりはなんというか、間が悪いのだと思う。


「……で、今日は何があったの」

「……こけて泣いてた女の子がいたから、泣き止ませて傷を消毒してたら親御さんが現れて『うちの子になにしてるの!』って……」

「弁解はできたの?」

「なんかその女の子誘拐されかけたことがあるとかで親御さん頭に血が昇ってて。聞いてもらえなかった……」


 確かに将来有望そうなかわいいこだった気がする……なんて言いながらクッションごと膝を抱えてベッドの上で丸まっている彼女は、それでもふてくされているわけじゃない。

 ただ、もっと自分がうまく立ち回れればとかそんなことを考えているんだろう。僕からしたら全く理解できない思考だ。

 どう聞いても彼女に非はないのだから、彼女がどうこうというよりは相手の問題だろうに。


 そんなふうに、彼女は善意が空回って、どんな理不尽な目にあっても、その原因になった相手を恨んだりはしない。

 『誰にだって心に余裕がないときはあるし……』なんて真顔で言うのを見るたび、ある意味人としておかしいんじゃないかと思ったりもするのだけど、流石に本人に言ったことはない。


 何度も何度もそんな目にあいながら、それでも他人に手を差し伸べるのをやめない彼女の頭に、懲りるという言葉は入っていないんじゃないだろうか。


 とりあえず、馬鹿じゃないかと思うくらいに他人を大事にする彼女が、これ以上傷つくようなことが起こらないよう、目を離さないでおこうとだけ、思った。




お題:彼女の善意 制限時間:15分 で挑戦したもの。


何やっても裏目に出る女の子と、それに呆れたり何たりしつつ気にかけてる男の子の話。

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↑反応があると軽率に続きを書いたりするかも
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