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物語の切れ端。  作者: 空月


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こんにちは、セイギさん。



 突然正義を押し売られた。


「人聞き悪いこと言うなよ」


 可もなく不可もなくな日常を怠惰に過ごしていただけだったのに、どこで何をどう間違ったんだろう。もうあの平穏すぎて欠伸が出るような日々には戻れないかもしれない。何それ嬉しい。


「本音漏れてるぞ」


 それにしても、正義と悪ってどうやって決まるんだろう。とりあえず相対的なものだよなと思う。二元的で、絶対とかってのはないんじゃないかと思うけど、意外に世の中ではその存在が信じられているようなので見解の違いにしみじみする。

 でも絶対な正義とかあったら生きにくいって思わないのだろうか世間の人々は。


「普通そこまで考えねえよ」


 まあ戦隊物とか顔がパンな人(人じゃなくて妖精かなんかだったっけ?)の話とか、水戸光圀公のはなしとかを見るに、勧善懲悪な話ってのは世に溢れてる上に好まれるから、やっぱり見解の相違っていうか感性の違いとかその辺の問題なのか。


「アンタの勧善懲悪のイメージもどうなんだ。っつーかそろそろ会話しねぇ?」


 っていうか正義が悪に勝つってことは正義が勝者で悪が敗者なわけで。悪が勝ったらそこは入れ替わったりしないのか? 勝てば官軍負ければ賊軍的な感じで。勝った方が正義っていう考え方もあるし。


「ひねくれてんなアンタ」


 まあとりあえず二元的な正義と悪は肌に合わないな、うん。

 それだっていうのに正義を主張する不審人物に絡まれちゃったという不幸だよ。全く世の中に何が起こるかわかったもんじゃない。


「そういう星回りだったって事だろ。っつーか不審人物呼ばわりするか、この状況で」


 いやだって、面識無い人間が正義を標榜して理解しがたい行動を起こすのを目の当たりにしたら不審人物って呼ぶ他ないかなって。


「他にあるだろ何でも。選択に悪意しか感じねえよ」


 悪意なんてアグレッシブな感情は抱いた記憶がないな。自ら正義を代弁するなんて興味深いなぁとは思ったけども。


「それイコールで『おちょくりたい』だろアンタ」


 いろんな反応が見てみたいと思ったことは認める。人間の探究心っていうのは時も場所も人も選ばないことが多々あるんだよ。


「一応危機的状況だってのわかってねえ……わけじゃなさそうだな」


 うっかりすれば命がはかなくなる状況だろうっていうのはわかってるつもりなんだけど。まさかこの目で『怪人』としか呼べないようなイキモノを見ることになるなんてなあ。ついでにそれに対抗するようなヒーローっぽい格好の人に助けられるなんてなぁ。

 ほんと、人生何が起こるかわからないものだ。


「俺も、助けた相手にそんな反応される日が来るとは思ってもなかったよ」


 それはそれは。申し訳ないと思わないこともない。

 まあとりあえずはこの状況を脱してからゆっくりと話し聞いてみたいなぁ、なんて。


 緊張感ゼロだなアンタ、なんて呆れたように呟いたその人は、それでもこちらを守るように立ち回って。


 押し売られたと茶化していた正義が名実ともに正義らしいと理解させられたのは、現実味のない戦いが終わってから約30分後。『自称・正義の味方』から根掘り葉掘り事情を聞き出したあとのことだった。



お題:突然の正義  制限時間:30分 で挑戦したもの。微妙に加筆修正済。

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↑反応があると軽率に続きを書いたりするかも
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