日曜朝の告白劇
「『漆黒』も『闇』もあれだよね、ヒーローとはわりと反対の位置にあるよね」
「あー、まあなー」
「だっていうのに『漆黒の闇に包まれしヒーロー』ってどういうこと? あれなの? ダークヒーロー的な? むしろ闇堕ち展開的な?」
「身も蓋もないな」
「それとも何? 闇使いとかそういう厨二的な?」
「一応言うがヒーローな時点で厨二だからな」
「身も蓋もないね」
「お前が言うな」
そんなぐだぐだしたやりとりをすることになったきっかけの、ヒーローものの番組の予告が終わる。適当につけたらやってただけなんだけど、次回が気にならないこともない。来週も見るかどうかは謎だが。
ぼーっと次の番宣を眺めていたら、隣の腐れ縁が「あー……ちょうどいいから言っとくわ」とかやる気なさげに言い出したので視線を向ける。
「俺さー、実はヒーローが闇堕ちした成れの果てなんだわ」
テレビ画面から視線を外さずに、声のトーンも変えずに、――わりととんでもないことを暴露した。
「……へぇ、そりゃまた」
「反応薄っ」
「いやこれは反応に困るよ」
「一世一代の大告白だったってのにさー」
こんな軽い一世一代の大告白があってたまるか。
「じゃーこっちも大告白してあげるよ。実はダークヒーローやってるんだよね今」
流石に画面から目を離してこちらを見たものの、顔色ひとつ変わらない。つまらない。
「へー。そりゃ知らなかった」
「知ってたら驚くよ。あと大告白が空振って恥をかく」
「そりゃそうだ」
のんびりと、淡々と。いつもどおりの温度のやりとり。
とりあえず、ダークヒーローもヒーローの闇堕ち展開も、案外そこらにごろごろしてんのかなぁ、なんて思った、日曜朝の出来事だった。
お題:漆黒の闇に包まれしヒーロー 制限時間:15分 で挑戦したもの。
双方に血縁関係はありません。きっとなんやかんやでたまたまルームシェアしてるとかそういう感じです。




