プロローグ:明日は今日とは違う
この物語は、読んでくれるあなたに「新しい視点」と「ちょっと不思議な世界」を届けたくて書きました。
登場人物はみんな、それぞれ違った色を持っていて、
物語の舞台は、終末を迎えたあとの世界。
人類が未知の存在と向き合うなか、
特別な力を持つ若き戦士たちが立ち上がります。
彼らはただ自分のためだけじゃなく、たくさんの人の想いを背負って、未来へと進んでいきます。
幻想的な魔法と、最先端の科学技術がぶつかり合うバトル。
楽しいことも、つらいことも、光と闇も、細かな日常の一瞬さえも——
全部、この中に詰めこみました。
もし少しでも気になったら、ぜひ読んでみてください。
この「心の子ども」を応援していただけたら、本当に嬉しいです。
画面が静かに動き出す。
疲れを帯びながらも、芯のある、確かな声が響いた。
「やあ、これは最後のビデオ。でも……すべては、ここからまた始まる。」
場面が切り替わる。
青い空。
黄金色の陽射し。
空中に浮かぶ巨大なアーチがあった。
けれど、それはすでに裂けていて、かつて繋がっていた両端は遠く離れていた。
バラバラになった破片が、ゆっくりと燃えながら消えていく。
「いい天気だね。嵐の前の静けさってやつかな、ふふ……」
「僕たちはもう行かなくちゃ。たぶん、これが最後の任務だと思う。」
背中を向けた人物が、静かに飛行船へと乗り込む。
カメラもその動きに合わせて、船内へと滑り込んでいく。
内部は広くはないが、不思議と落ち着く空間だった。
やがて画面は窓際で止まり、外の景色が映される。
飛行船が上昇を始める。
「みんな、行こう。」
急な揺れ。
画面が大きくブレたあと、やがて安定を取り戻す。
外の風景はもう違っていた。
宇宙。
さっきまで立っていた惑星が、視界の中に小さく見える。
「かつてこの“リング”は、科学の繁栄を象徴していたんだ。
周囲の惑星たちもそうだった。」
再び画面が揺れる。
何かが襲ってきている。
警告音が鳴り響き、飛行船はエネルギー光線をかいくぐりながら、必死に方向を変える。
それでも、すぐに状況は落ち着いた。
「みんな、準備はいいか?」
「ああ。」
「じゃあ、これから外に出るよ。……あ、僕たち、宇宙空間でも活動できるんだ。変だよね、ははっ。」
「さて……これでビデオは終わりにしよう。また、会えるといいな。」
人は、戦いの前に。
自分が死ぬかもしれない場所へ向かうときに。
恐怖を抱く。
不安になる。
そして、心が揺れる――それが“普通”だ。
でも、彼らは違った。
笑っていた。
話していた。
励まし合いながら、まるで自分自身に言い聞かせるように。
……感情がないわけじゃない。
きっと、それを上回る“何か”があったのだ。
画面が切り替わる。
数人の影が映る。
彼らは拳を握り、それらを一つに合わせる。
「いち――に――さん!
絶対に成功させよう!」
ビデオは、そこで終わった。