3,祭り
祭りだ祭り! 酒だ酒!
夜闇蹴散らす 荒ぶる火の粉
祭りだ祭り! 酒だ酒!
飛び散る酒は 黄金のよう
祭りの舞台 その背後
木陰に沈む 薄明り
宴の歓声 揺らめく炎
それにおびえて 木陰も揺れる
それ狂乱だ! 乱痴気だ!
スカしたやつに お利口さんに
それ狂乱だ! 乱痴気だ!
そら酒かけろ 服をひん剝け!
森のそばには 細い川
流れに浮かぶ 枯れ落ち葉
宴の声は かすかに聞こえ、
照らす炎は ただ夢のよう
祭りだ祭り! 酒だ酒!
踊る爺に 跳ねる青年
祭りだ祭り! 酒だ酒!
人か獣か その笑い声
冬の夜空は 闇深く
無言に満ちる 黒い顔
宴の明かり 宴の気配
そんなものには 目もくれず
彼の多感な 横顔は
瑠璃の光を ただ懸想して
それ狂乱だ! 乱痴気だ!
寝ているやつに スケベ野郎に
それ狂乱だ! 乱痴気だ!
そら唾かけろ 拳固を見舞え!
これぞホントの11月祭!
11月の祭りはあんたのもんだ!
あんたのためのお祝いだ!
顔をしかめたやつには酒をかけてやる!
異を唱えたやつの服は剥ぎ取ってやる!
無関心なやつには唾をかけてやる!
馬鹿にしたやつには拳固を見舞ってやる!
11月は全部あんたのもんだ!
1年も全部あんたのもんだ!
――まだまだ宴は終わらない