一式戦車顛末記。(玉砕狂騒曲)
(´・ω・`)玉と砕けよ!!。(日本軍徹甲弾あるある。)
中隊と合流を果たして。
線路を左に見ながら北上する。
確かに米歩兵の澪都度が濃い。
機関銃が仕事をして。
呆然とした穴の中に竦む敵兵に雷管を叩いた手榴弾を落とす簡単な仕事に成りつつある。
煙突を担いだ敵兵には25mm連装砲が最適だ。
何せタコ壺から身体をさらしている。
「二時方向に敵速射砲を発見!」
「榴弾用意!」
「目標!敵速射砲…。おい!友軍の砲だぞ!」
照準を覗く砲手が叫ぶ。
「周りはアメ公だ!鹵獲されたんだ!撃て!」
「了解!!」
紐が引かれ主砲が火を噴く。
目標と同時に発射され車体に着弾した衝撃が伝わる。
敵歩兵共は速射砲ごとバラバラに粉砕された。
線路から東の海岸には未だ砲弾が着弾している。
海岸は燃える敵戦車が犇めき合っている。
街道上の敵兵を排除しながら進む。
途端に敵兵が濃い場所を確認した。
「前方に敵戦車数量を発見!」
未だ遠い。
チャランカアノの桟橋だ。
『各車、発砲!』
砲塔のモータが唸りを上げる。
もう既に装填を終えた主砲が敵を捕らえる。
「目標を捕捉!」
「てー!」
火を噴く大砲に砲尾が開く。
「歩兵が多い次は榴弾だ!」
「はい!榴弾砲!!」
手にした徹甲弾を仮置きに置いて榴弾砲を取り出す装填手。
弾頭が押込まれ、装薬が置かれ自動で閉まるとハンマーを起こし雷管を詰める。
「目標よろし!」
「てー!」
紐が引かれ目の前の敵陣地が爆発した。
「目標的陣地の東より新たな戦車を発見!!」
「でかい大砲を積んでいるぞ!!」
戦車と言ってしまったが…。
前部にタイヤを付けた軌道車だ。
25mm機関砲弾の火線が集中して一瞬で燃え始めた。
装填時間の関係で間欠連射に成るが25mmの射撃は心強い。
先ほども友軍が敷設した対戦車塹壕の中で眠る敵兵を叩き起こした。(永眠。)
『之より南興桟橋の敵陣地に突撃する!』
『了解!』
『流れ弾なんて見っとも無い事はしないぜ!』
『撤退するときは任せておけ!!』
遠いが何処かの部隊が答える。
車体を旋回させ、線路を越えると本当に目の前に砲弾が来なくなった。
桟橋手前の砂浜に土嚢と大きなタコ壺で出来た天幕に榴弾を撃ち込んだ。
何かがはじけ飛ぶ。(第二師海兵団、連隊本部全滅)
歩兵とともに突撃して中の敵兵を排除する。
機銃でなぎ倒した敵にゴボウ剣を突き立てる歩兵。
続いて障害物のない桟橋の敵を排除に掛かる。
銃撃を加えた桟橋の上は松明の様に燃える。
敵兵が海に飛び込んでいる。
一際大きな音でシュルシュルと空を切り裂き桟橋横に着弾した。
今までに…。
いや、見た大口径砲だ!
海の上の黒い島が光る。
「敵艦砲射撃を確認!!」
「なに!」
「こちらを狙っている!!」
桟橋を中心に幾つか大きな爆発が起きる。
「くそ!!こちら大西車!敵艦の砲撃を確認!」
『仕方がない…。撤退だ!』
連隊長車のハッチから信号弾が打たれた。
歩兵に後進の合図だ。
徐々に下がる戦車達。
歩兵が追い抜いて車両に飛び乗る。
後方のトラックの周りに集まる歩兵たち…。
少なくなっている。
『第四中隊はこれより撤退する。煙幕を展開せよ!後進一杯。』
艦砲射撃も集中し始めた…。
「煙幕展開!」
「おう!煙幕!」
機銃手がマッチで導火線に火を付けた。
「後進一杯、後方に障害物なし!」
車長が後方を確認する。
ポンポンと間抜けな音が出て前方に飛び出す花火。
地面をくるくる回りながら白い煙を吐き出している。
「後進一杯!」
レバーを操作して戦車が移動すると…。
目の前に着弾が起きた。
間一髪だ。
それも煙の中に消える。
『煙幕支援は必要か?戦車隊応答せよ!』
雑音が多いが誰かの無線送信が繰り返し聞こえる。
『ああ。海岸砲撃の序に混ぜてくれ。』
『了解!』
帰路は掃討済みなので散発的な敵兵としか遭遇しなかった。
海からの風で煙幕が流れて上空を白く染めている。
歩兵は警戒しながら敵兵の死体を素早く見分して留めを刺す。
出発地点のヒナシス山の稜線を超えたら工兵の出迎えが在ったが。
歩兵が日の丸を立てていたので敬礼しながら前を通過した。
歩兵部隊と別れる織。
”機銃掃射で命を助けて頂いた。”と申し出た歩兵伍長から米国製のタバコとピストルを贈られた。
「お前達のほうが必要なのでは?」
と言ったが、伍長は満面の笑みで背中に担いだ敵の軽機関銃と手榴弾カバンに一杯になったピストルと弾倉を見せられた。
歩兵達はその後も敵兵からありとあらゆる物をサシクッて時々”戦車兵さんにもおこぼれ”を持ってきた。
有難かった、特に対戦車タ弾ロケットを箱ごと盗ってきた来たのには驚いた。
わが連隊は対抗策を編み出し…。
戦車が金網だらけになった。
(´・ω・`)AM無線だと思うので。(混信あるある。)