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第1話~始まり始まり~

 

 俺は平凡が好きだ。そして、それを求めてやまない。

 ところで……平凡って、何だろう?

 平凡、って、きっとどこにでもありふれてる、って意味だと思う。

 当たり前のように両親がいて、当たり前のように働いてて、当たり前のように年を食っていく。

 兄弟は二人ぐらいいて、兄は2歳上、弟は3歳下、とか。

 父親の職業はサラリーマンで、会社勤めで、母親は専業主婦、とか。

 自分はどこにでもいるような容姿で、成績は平均、体力テストの結果も平均。

 特に趣味はなく、特筆するような特技もない。

 どれだけ頑張ってもまじめ、以上の長所が見つからない、そんなのが平凡というやつではなかろうか。

 ……うん、きっとこんな感じだ。

 そう、これこそが平凡であって、平和であって、俺の目指すものだ。

 平凡こそが至上の幸せなんだ。

 たくさんいるから平凡であって、たくさんの人が望むことは平凡になるんだ。だから俺は平凡こそを目指す。

 普通や平凡以外に幸せがないとは言わないけれど、俺は普通に幸せがあると思う。

 そう、平凡ってのは、決してこんなのではないはずだ。

 父親が外見同い年(16歳)で、実年齢は人外で、白い髪に青い瞳で年中長Tシャツ長ズボン。

 優しいくせにキレたら信じられないほど冷酷なったりする、とか。

 母親もどう見ても同級生にしか見えなくて、でも実は40歳だとか、赤い髪に赤い瞳、半袖のシャツにジーパンで、炎が自在に扱える、とか。

 兄弟姉妹が60人近くいて、その全員が義理、とか。

 しかもそのほとんどが『この世界』にいない、とか。

 いつもいる姉は、異常な男嫌いでいつもコートを羽織ってて俺が話しかけると信じられないぐらい鋭い目つきでにらんできて、会話してもなぜか姉から警戒心が解けない、とか。

 その姉は怪しげな研究が趣味でしかもそれが完成度が高く国からもたまに依頼を受けるとか受けないとか。

 日本にいるくせに家族みんなの名前が横文字、とか。

 家族みんなが特殊な能力を持っている、だとか。

 そんなのは平凡とは言わないはずだ。 

 というか、そんな平凡あってたまるか。

 特別になりたい、と思う人もいるだろう。俺はそんな奴には一言いうことにしている。

 「やめとけ。命がいくつあっても足りないぞ」ってね。

 その忠告を受け入れられるかどうかは別問題だが、それでも一応は言ってやる。

 ……だって、特別になったからと言って、いいことなんかひとつもねえからな。

 












 

 「なあ、ルネス」

 「なんだよ」

 琴乃若私立小中高一貫学園、玻座真学園の高等部2-3組、終礼のホームルーム。

 俺は窓際後ろから二番目のまあまあの席で、教師が前で連絡している中声をかけてきたやつは前の席の奴だった。

 日本語ぺらぺらの留学生、リンク・ソル・ジェイドだ。

 黒髪で黒瞳、日本人体型に外国暮らしよりも日本暮らしの方が長いくせにこいつは留学生。……いったい、この学校の判断基準はどうなっているのやら。

 噂じゃ生徒会が全部決めてるって事なんだけど、さすがにそれはないだろう。……だってさ、どんなに年長でも18歳だぜ?あり得ねえって。

 「今日の授業聞いてたか?」

 「どの授業だよ」

 俺はそっけなく答える。こいつかなりさぼり癖があるからほとんどの授業を聞いてない。……それでも俺より成績がいいんだから、世の中の不平を嘆きたくなる。

 「英語。……俺英語苦手なんだよ」

 「……てめえ、一度出身地について話を聞かせてもらう必要がありそうだな?」

 こいつ確か転校してきた日に『アメリカからきた』ってはっきり言ったのを俺は覚えてるぞ。……こいつ何もんだ?

 「あ、しまった……ま、とにかく教えてくれよ」

 「やだね。今日は早く帰るって決めてたんだ」

 俺は自分で決めた予定を崩されるのが大嫌いだ。だから今日は何があっても帰る心積もりだったんだ。

 「ち、仕方ねえな。エリアに訊くか……」

 エリアってのは信じられないことにリンクの『奥さん』。青い髪の青い瞳で、かなり目立つ自慢の奥さんらしい。俺は見たことないが、時たまこっちが恥ずかしくなるぐらい惚気られるので、名前と性格、趣味や好きなものなど知らなくていいようなことまで知っている。

 んで、なんで高二のこいつに奥さんがいるかというと、アメリカじゃ結婚するのも自由らしい。……まったく、どこのアメリカだよ、そこ。

 それを信じてるほかのクラスメイトにも驚きだが、至極真面目な顔で言うこいつもこいつだ。

 こいつの頭の中を一度見てみたい。

 「きりーつ!礼!さようなら!」

 委員長がそう言って、今日の学校はおしまい。部活のあるやつは部活に行き、帰宅するやつは帰宅する。

 さて、今日は帰るか。

 俺はかばんを持って教室を出た。














 俺の家までの帰り道は一本道だ。だから迷いようもないし、寄り道のしようもない。

 まあ、学校と家の真ん中ぐらいのところに小さい公園があるのだが、そこで遊ぶほど俺は子供じゃない。

 「……お?」

 いつもは誰もいない公園なのだが、今日は一人だけいた。

 空のように青くて長い髪。黒真珠のような瞳に、優しそうな目つき、笑顔が似合いそうな顔立ち。

 学園の制服を着ていることから見て帰宅途中の女子なのだろうが、誰かを待っているようにも思えた。

 ……彼氏、とか?

 まそりゃそうだろうな、と思う。あんなにきれいなのだ、彼氏の一人や二人いるだろう。ま、どうせかかわりあいになっても面倒なのでとっとと帰ろう。帰ってやりかけのゲームをやって、普通の人生を満喫して、と……

 「……あら?」

 声をかけられた。

 マジかよ。俺は今すぐ帰りたいんだ。邪魔しないでほしい。

 その女子はこっちまで女の子走りでここまで来ると、太陽のような笑顔とともに言った。

 「こんにちは!わたくし、サクラと言います、あなた様は?」

 












 「ルネス。……ルネス・ペンタグラム」

 答えたら面倒なことになるとわかりきっているのに、不思議な口調の女子に俺は名前を教えた。

 

 こんにちは、作者のコノハです。

 どうでしたでしょうか。続きが見たいと思ったでしょうか。こんなのもういい!と思われたでしょうか。

 どちらでも構いません。続きが見たいと思われたのでしたらうれしいことです。

 もういい!と思われたのなら私の力不足です。

 今回から始まる『平凡を目指して!』は特殊な環境の少年が平凡な生活を目指して奮闘したりする話です。

 面白かったり、詰まらなかったりしたらどうかご意見を頂けると嬉しいです。

 では、また次回お会いしましょう。では!

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