冬の生活1
今日は寒くて雪が降っているかと思った。
実際に外に出てみると晴れ間がのぞいていた。
ペンギンのような足取りで冒険者ギルドにたどり着いた。
仕事の話は置いといて、併設の《新風亭》で麦酒を大き目で頼む。
窓際で一息つく。
空きっ腹に濃い味が染みる。
日は暮れ始めていて、冬らしい寒さだ。
街道を走る馬車の流れはいつもと変わらない。
後ろで女性スタッフ達のパーティーの話題が聞こえたりする。楽しい時間だったようで。
新しい客が来て、注文をした。
調理の匂いがこちらにも流れてくる。空腹感が増すなあ。
濃い麦酒だけ頼んだのは失敗だった。胃が重くなってきた。
目の前を流れる馬車と人の割合がいつもと違う。
悪路対応の箱型が多い。貴族の家族連れが多いのだろう。いつもの荷台だけの馬車も見ないし、ほかの仕事用の幌付きも少なく見える。
それでも全体が減ったように見えないのは、年末効果でパーティーが増えているのかもしれない。
歩道を行くカップルに子供連れ。人通りはまだある。
冒険者たちの姿も見受けられる。
離れた席で女性が板に絵を描いている。仕事なのか、趣味なのか。
ここが彼女の仕事場なのか。
ギルドの仕事だろうか。
ポテトを頼んでおけばもう少し粘れたが、諦めて《新風亭》を出る。
ありがとうございましたの声はいつもキュートだ。
さて、購買で細工品の今日の売れ具合を確認するか。