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恐る恐る地下4階に降りた先はまた小部屋でしたが、もう下に続く階段はありませんでした。


「ショートカットはここまでみたいだな」


そう言いながらルーカス君は扉を探し当てました。そしていきなりその扉を開けようとします。


「ちょっと待って、心の準備が」


「え、何言ってんだよ。どうせ行くんだから早く行こうぜ」


幾度となくこの迷宮で死んでいる私とルーカス君とでは危機意識が全く違うのかもしれません。仕方ないのでとりあえずついていくことにしました。


巨大なゾウのモンスターが2体現れました。

大人の倍ぐらいある巨体で、真っ赤な目をしています。思わず目が合って、私は足が竦んで動けなくなりました。


ゾウがそんな私目がけていきなり突進してきました。


「危ないっ!」


ルーカス君が私に飛び掛かって二人で倒れ込みましたが、その瞬間、ルーカス君の下半身がゾウに踏みつぶされたのです。ルーカス君は押し倒した私に向かって大量の血を吐いて一瞬で絶命しました。


「あ……あ……」


ルーカス君の大量の血を浴びた私はあまりのことに座り込んで目を見開いたまま動けません。

その私をゾウが真っ赤な瞳で見ながら足を振り上げ、私に向けて振り下ろしました。




†††




「え、何言ってんだよ。どうせ行くんだから早く行こうぜ」


ルーカス君がそう言いながら扉に手をかけたので、私はルーカス君に飛びついてそれを止めました。

死ぬまで気づかなかったほどの先程の恐怖が全く引いておらず、私は大粒の涙を流しながらおいおいと泣いてしまいました。


「な、なんだ?いったいどうしたんだよ」


私にしがみつかれて大泣きされているルーカス君は顔を赤らめながら戸惑っています。

「だって、ルーカス君が」と言いながら泣き続けている私を止められる者はいるのでしょうか。


「俺が何かしたのかよ。困ったな、なんだかわからないけど俺が悪かったから泣き止んでくれよ」


困った様子でルーカス君が頭をよしよしと撫でてくれました。彼はさっき咄嗟に命を投げ出して私を助けようとしてくれましたけど、そんなことなかなかできることじゃありません。恐怖もありますけどルーカス君がそんな感じで死んでしまったことが衝撃でした。


しばらくすると私も落ち着いたので、気を取り直してもう一度扉を開けることにしました。私は心のリセットボタンに最初から手をかけています。もうあんな思いはしたくありませんから。


今度は頭に長い角と背中に黒い翼が生えた白髭のお爺さんが二人現れました。

そんなに強くなさそうにも見えますが怪しいことこの上ないです。私は早速、敵識別魔法を使いました。


【名 前】オールドデーモン

【種 族】悪魔

【スキル】魔術師魔法(4)、魔法レジスト(40%)、ドレイン(1)


悪魔族が現れました。レベル4の魔法と40%の魔法無効化?ができる強敵です。

あの魔法を試してみましょうか。


「師匠の話ではドレインってのは若さを奪ってくるらしい。奪われるのは体力とかじゃないから絶対に触らないように気をつけろよ」


なんて恐ろしい攻撃でしょう。死や石化と並んでリセット案件ですね。


なんだか敵の動きが散漫なので私は悪魔祓いの魔法を放ってみると1匹が消滅しました。続け様に放ちましたが、もう1匹にはレジストされたようです。


生き残った一匹が手を上げると私の側に雷が落ちてきました。咄嗟に横に飛んだので直撃は避けましたけど、少し雷に触れて身体が麻痺しています。私は麻痺回復の呪文で麻痺を解きました。


「うおおおお!」


魔法を放って再び動きが散漫になった敵にルーカス君が斬りかかります。でも一撃で倒すというわけにはいかないようです。オールドデーモンはルーカス君に手を伸ばそうとします。その隙に私が悪魔祓いを放って消滅させました。


「特効魔法があってなんとかって感じだな。ちょっと4階は早いみたいだ」


宝箱には金貨が3枚入っていました。かなりの戦果ですけど、これを繰り返すのは精神的にきついです。

それから、もう一つ宝箱がありました。


「これは罠がかかっているみたいだ」


ルーカス君がそう言うので私は罠識別の魔法を使いました。【毒ガス】と結果が出ました。

そうルーカス君に伝えると彼もスキルで調べたところ同じ結果だったようで、毒ガスの罠を解除するつもりで罠解除のスキルを使いました。


中には杖が入っていたので、ルーカス君がすぐに鑑定してくれました。


・沈黙の杖(杖)魔法力+12、沈黙付与


「結構良い物なんじゃないかな。早速装備してみなよ」


やっと最初に買った安い装備とお別れすることができました。でも、ちょっと疲れてしまいました。


「ルーカス君ごめんなさい、今日はもう帰りたい」


「しゃーないな、初めての探索だったけど楽しかったよ」


ルーカス君は快く同意してくれたので、私は帰還の魔石を使いました。


冒険者協会に寄って、ルーカス君と一緒にステラさんに冒険者カードを渡しました。

短時間の探索でレベルが2つも上がっていました。でもやっぱり暫くは地下4階には行きたくないです。


「あら?クロエちゃんパーティーで探索してるの?ってルーカスじゃない。さてはリンカーンさんに頼まれたのね?」


「うん、鑑定の後で頼まれちゃって。でもちゃんとした仲間っていいなって思いました」


「逆にちゃんとしてない仲間ってなんだよ」


ルーカス君が照れたようにそう言うので、私とステラさんは顔を見合わせました。


次の日から私とルーカス君は、ルーカス君のお試し期間の一週間が経つまで地下3階でレベル上げをしました。最終日にはレベルが私は36、ルーカス君は38まで上がり、私は僧侶魔法スキルレベル5になりました。


【名 前】クロエ

【年 齢】15

【職 業】僧侶

【レベル】36


【 力 】39

【知 恵】60

【生命力】39

【素早さ】44

【 運 】126


【スキル】僧侶魔法(5)、リセット(2)

【魔 法】回復(5)、光攻撃(5)、麻痺(4)、毒回復、麻痺回復、AC強化(4)、悪魔祓い(2)、不死者召喚(1)、罠識別、敵識別


運が凄いことになってきました。それと、何やら如何わしい者を呼び出してしまいそうな召喚魔法を会得しました。


「何言ってんだよ。師匠が使ってたけど囮に最適だし、高位の不死者を呼べたら凄い戦力になるんだぜ。何が出るかは完全に運だけどな」


私が新しい魔法のことを話すと、ルーカス君はそう教えてくれました。そろそろ前衛職が必要かなと思っていたのですが、これならまだルーカス君と二人で大丈夫かもしれませんね。

アルファポリスで先行して投稿しています。現在27話

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