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翌日も地下1階を探索して資金を得ると、協会の売店で金貨1枚もする帰還の魔石を購入して地下2階に挑戦することにしました。


光攻撃魔法は地下2階で出現するゾンビに有効な攻撃手段で、なるべく少数のゾンビが出るまでリセットしながら戦闘を重ねると、1日で金貨1枚分以上稼げるようになっていました。


繰り返していると数日後にはレベルが27まで上がり、僧侶魔法のスキルが4に上がりました。


【名 前】クロエ

【年 齢】15

【職 業】僧侶

【レベル】27


【 力 】30

【知 恵】46

【生命力】30

【素早さ】35

【 運 】99


【スキル】僧侶魔法(4)、リセット(2)

【魔 法】回復(4)、光攻撃(4)、罠識別、麻痺(3)、毒回復、麻痺回復、AC強化(3)、悪魔祓い(1)、敵識別


私って運だけ妙にたくさん上がるんですよね。それ以外は微妙だけど。


敵識別という魔法と、悪魔祓いという魔法を会得しました。悪魔という敵には出会ったことがないです。地下4階以降に出現するのでしょうか。

一人なので敵を識別する魔法を使う余裕があるか分かりませんが、見たことのない敵が現れたらリセットしてでも調べたほうが良いかもしれませんね。


それから、宝箱からお金だけじゃなくて、何度か武具やアイテムをドロップしていました。

ゾンビが持っていた怪しい物なのでどうしたらいいかステラさんに相談すると、本来は貴族には教えていないと前置きした上で、鑑定と買い取りをしている雑貨屋さんを紹介してもらいました。


早速、紹介してもらった雑貨屋さんに向かいました。

路地裏にある小さなお店に入りましたが、店内には何も置いてなくて本当に雑貨屋さんなのかと疑ってしまいました。


「何の用だ」


不愛想な店員に声をかけられたので冒険者協会のステラさんの紹介だと伝えると、カウンターを開けて奥の階段を指差されました。降りて行けということですよね?


「早くしろ」


「あ、はい!」


急かされてオドオドしながら地下に降りてみると、たくさんの装備品やアイテムが所狭しと並べられた広い空間に繋がっていました。


奥では片眼鏡をして髭を生やした怪しげなおじさんがアイテムを手にしてじっと眺めていました。その横では、武具を丁寧に拭いている男の子がいます。


「師匠、お客さんみたいですよ」


男の子が私に気づいたようです。おじさんが顔を上げて、今度は私を観察するように眺めています。


「貴族を直接来させないように冒険者協会には伝えていたはずなのですが、おかしいですね」


ステラさんは確かに貴族には内緒と言っていました。私は今そんなに上等な服を着ていないのに、どうして貴族だと分かるのでしょうか。


「そんな顔をされても、貴女の佇まいから貴族だとすぐにわかりますよ。それで、どのような御用でしょうか?」


「あ、はい!これを鑑定して買い取っていただけると聞きまして」


佇まいが貴族と言われて、いつの間にか染まっていたらしい自分に驚きましたけど、別に嬉しくはないです。私にとって貴族ってお姉様達やお義母様のようなイメージしかなくて。


それはともかく、私はそんなに多くはないドロップ品を袋から覗かせると、それを見たおじさんにカウンターに来るように手招きされました。


「ここに並べていただけますか」


ドロップ品は3つ。首飾りと短剣と何かが入った小瓶です。それを言われた通りに並べました。


「お客様に挨拶もせず失礼いたしました。私は鑑定師のリンカーンと申します。以後お見知り置きを」


最初は歓迎していない風でしたが、意外にもお客様と言ってもらえました。私も慌てて自己紹介しました。


「クロエ様ですか。リンカーン商店にようこそ。では早速鑑定をいたします」


リンカーンさんはカウンターのアイテムを見ると一つ一つ手に取って見ています。


「表層のアイテムですね。残念ながらそこまでの価値はありません」


一瞬見ただけで鑑定は終わりました。まあ地下2階で拾っただけですから仕方ないですね。


・ショートソード(短剣)攻撃力7

・青銅の首飾り(首飾り)AC1

回復薬アイテムHP回復効果


「合わせて銀貨2枚と銅貨1枚で引き取れますが、見たところ貴女には必要な物だと思われますよ」


言われてみれば近距離武器を持っていないし、回復薬は保険で持っておいても良いかもしれません。


「攻撃力は想像つくんですけど、ACって何ですか?冒険者カードに載ってないステータスなんですけど」


「ACはアーマークラスといって、避ダメージ率のようなものだと思ったらいいですよ。ダメージを受ける確率が減るわけです」


ちんぷんかんぷんですが、良い物なら身につけておきましょうか。


「それから、老婆心ながら迷宮内には呪われた装備品もあるので、素手で触らないことをお勧めします。貴女は腕と頭に何も身につけていらっしゃいませんから。僅かですがACも増えるので、こちらを身につけられてはいかがでしょうか」


そう言って布の手袋と皮の帽子を勧められました。物を売りに来たのに、いつの間にか逆に買わされている私がいました。もちろん買いますけど。


銀貨2枚をお支払いすると、リンカーンさんは私の装備を一通り見てくれました。


【武 器】木の杖(魔法力+5)、ショートソード(攻撃力+7)


【 頭 】皮の帽子(1)

【 手 】皮の盾(2)

【 体 】布の服(1)

【 腕 】布の手袋(1)

【 足 】皮の靴(1)

【装飾品】青銅の首飾り(1)


【A C】7


リンカーンさんの説明だと、私の現在の装備はこういう感じになります。


ACは弾いたり、避けたり、受け流したりして敵の攻撃を無効化することを防具に依存する場合の数値となります。

戦闘テクニックや敏捷性や運によるものも大きいのでこれが絶対ではありませんが、高いに越したことはないそうです。

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