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18.攻略対象発見

 図らずも騒ぎを起こしてしまったその後に、お父様、お母様と合流した。


 その後にタイミング良く、楽団の音楽が始まり剣技大会主催者である紅の騎士団長の挨拶が始まる。


騎士団は、紅と蒼の騎士団が二つある。


どちらも対等な力を持つ両騎士団だ。毎年交代で騎士団長が挨拶をしているらしい。


今年は紅の騎士団長だったという訳だ。


「──試合は実戦とは違い、命をかけた戦いではない。だからこそ、お互いに敬意をはらい、正々堂々と素晴らしい戦いを此処で魅せてくれること、期待しています。」


 最後にそう締めくくり、騎士団の礼をして下がっていく騎士団長は、さまになっていてカッコ良かった。


・・・横で俺の方が・・・なんて呟いている人がいたけれども。


宰相が「国王陛下から直々のお言葉です。」・・・その言葉を発した途端に皆顔つきが真剣なものになる。


金色の、サラリとした髪を長く伸ばした美しい男性が護衛と共に歩み出てくる。


その威厳漂う雰囲気だけで、この人は他の人とは違うと感じさせるものがあると分かった。


「今年もこのように神聖な場で、互いの剣技を広め合う機会を設けられてとても嬉しく思う。

この経験は貴殿らの中でとても大切なひとつとなるであろう。そうして・・・余と皆の築き上げた王国を守る剣と矛としてまた一つ、強くなっていくその姿を見せてもらうことを楽しみにしている。」


 国王陛下の口から一つ音が零れるだけで、そちらに視線と耳がいってしまう。


まるで魔法のようだと錯覚してしまう程に。


 チラッとウェイドを見ると、国王の言葉よりもはよ剣技大会始めてよという感じの表情をしている。


「・・・ウェイド様。もう少し取り繕ってください・・・」


 こっそりと声をかけると、少しムッとした表情をしたけれど直ぐに真剣な表情に切替える。


そして国王陛下の言葉が終わったら、大きな拍手が舞い起こった。


しばらくしてその拍手が鳴り止んだら、騎士団長が今年の剣技大会参加者の名前を呼んでいく。


呼ばれた参加者は返事をし、騎士としての礼をしてから支給された剣を行進用の形で構え、列を作り進んでいく。


 前世の体育で見た、行進みたいに綺麗だ・・・


恐ろしい。呼吸もあっていて下の方だけ世界が違った。


おっと。言い忘れていたけどこの剣技場の観客席は、試合場所に近いけれども少し上の方に設置されている。


全員の名前を呼び終わったあとに構えは解かれた。


 そうして、剣技大会も同時に始まった。

参加者総勢五十人。


勝利は相手から二本取った時。


勝利条件は相手の剣が、手から離れたり場外に出たりすること。


あとは防具をつけているので、腹や胸に突きを入れたり相手が降参した場合などだ。


 ちなみに、反則もある。


反則は、悪意のある攻撃や相手の木刀を掴んで動きの制限をした時など。


 例えば激しく動く問題で、防具をつけていない頭に剣を狙って当てた時、これが悪意のある攻撃として判断される。


支給用の剣は木刀だけれども、さすがに危ないからそれは反則だ。


相手の木刀を掴むのは剣技も、土壇場での咄嗟の判断力も全く関係ない、騎士道に反する行動だからだ。


 それ以外にも結構ルールはあるようだけれども、多すぎて覚えられない。


ジャッジは公正に行われる。


トーナメント戦で、一対一の試合を四組同時進行に行い、一日中戦う。


 そのジャッジメントとして、紅と蒼の騎士団長、副騎士団長がそれぞれジャッジしてくれる事になっているらしい。


 ちなみに、制限時間はあるのだけれど、一対一のトーナメント戦なので、お互いが一本ずつ取って、それ以降攻防一帯だった場合、長引く場合がある。


稀だけれども。


 そんな時には、その二組は一回休憩して次また体力を回復させてから戦う感じだ。


 それでも勝敗が決しない場合、両騎士団長が話し合い、技術面とその時の試合の様子を鑑みて勝敗を決める。


それについては、選手にもしっかりとなぜ勝ったのか、なぜ負けにしたのかを説明をした上でだ。


 ・・・ちなみに決勝、準決勝、準々決勝進出したもの達だけは例外で、長引けば勝つまで試合を続けることになっている。


騎士団長同士の話し合いでの勝敗決めも存在しない。


「剣技大会、どんな試合が見れるかとても楽しみですね。」


 そういってウェイドに笑いかけると、鼻を鳴らして目をそらされた。


「少しはな。」



- - - - - - - - - - - - - - -



『第一試合場、ギース・ゴドウィン、サイモン・ラトル。』


『第二試合場、フレイ・ジェイコブ、フィン・ペンズハート。』


『第三試合場、ウィリー・バルゼリア、マルク・ホーリン。』


『第四試合場、マーク・レーソリア、アレク・ジ・ネイピア』



こんな感じで一回戦、二回戦、三回戦、四回戦を同じ会場で同時進行の形で行う。


「フィン・ペンズハートって・・・さっきの人じゃないですか?」


 ウェイドにそう聞くと、不思議そうに首を傾げて私を見つめた。


「・・・そう、だったか?」


「さっき絡まれてたのに・・・」


ああ、忘れたんだねと分かって苦笑をする。


それが気に入らなかったのか、ウェイドが手をかぶせてきて、私の手の甲を軽く抓ってきた。


「いたいっ!」


「静かにしないからだろ?」


 ツーンとした顔で試合を見てるウェイドに・・・なんでもないです。私は寛容な大人ですからね。


ちょっと怒ってウェイドから目をそらす。


なんか不満そうな声を出しているけれども知らないフリをした。


第一試合場の方を見ると、ギース・ゴドウィンとサイモン・ラトルという少年が試合をしている。


(・・・あれ?)


 ギース・ゴドウィンをまじまじ見ていると、やっぱり見覚えがあると気が付く。


「あっちの赤茶色の髪の男はギース・ゴドウィンだな。侯爵家の次男だったはず。サイモン・ラトルは子爵家の長男。確か双子の弟がいたはずだ。ラトル子爵は大規模な商会を設立しているし、商人の家のお前なら多分知ってるはずだ。」


 丁寧に説明をしてくれる。


確かに二人とも有名だから知っている。


 けれど実際に会ったことは無いし、ギースの顔は私は知らない、はずなのだ。


(まさか前世の・・・)


 ハッとする。


プリナイのことを完全に忘れていた。


 記憶を追うと、確かに彼がプリナイに出てくる登場人物だと気がついた。


 モブ役だったけれど、ギースと今戦っているサイモン・ラトルもゲームでは出てきていたはずだ。


 ギース・ゴドウィンは、侯爵家の次男。


そして紅の副騎士団長の息子だ。


 ゲームで彼は、黒騎士の王子として、攻略対象として登場していた脳筋騎士だった。


ヒロインとの魔物潜入調査に対して、最初から協力的だった、唯一の攻略対象だ。


 ちなみに本編では、ヒロインよりも一つ学年が上の19歳。高等部の中では最高学年だ。


他はもう・・・うん。細っこく世間知らずなヒロインが気に入らなくて非協力的だった。


ギースみたいに、脳筋じゃないから色々と気になって、不安だったのが大きいのだろうけれど。


 あとは、第四試合場のアレク・ジ・ネイピア。


ガッツリ見覚えあります。攻略対象ですからね。


彼は公爵家の息子だ。つまりは王家の血筋を引いている。


学園は基本的に平等だから、公爵家も、王子だって学園に在籍していればこの剣技大会に参加する。


そんな時、対戦する相手は怪我をさせないよう、戦々恐々としてると思うけど。

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