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王子様は誰?

※この作品はフィクションです。


誤字脱字等ありましたら、ご迷惑をおかけしますがお知らせしてくださると助かります。

 幼い頃夢見た絵本を思い出しながらため息をこらえる。


最悪です。


──なぜ、最悪か、ですか?


なぜと言われれば私はこう答えるでしょう。


「おい。聞いているのか?これからお前は俺の婚約者だ。成り上がりの卑しい子爵娘が俺と婚約できるんだ。ありがたく思うことだな。」


 目の前にいる、私よりも2歳年上の少年が口元を歪ませてそう言った。


なぜ、よりにもよって社交界で噂の〝異端児〟〝呪われ子〟〝忌み子〟と呼ばれ捻くれ者に育った男──ウェイド・カニンガム伯爵子息と婚約を結ばなければいけないのだろうか。


彼の肌は黒い・・・いわゆる褐色の肌はこの国の血筋には見られない色で悪魔を彷彿させる。


白い髪は肌の色素を考えても、遺伝的にもあまりにも不自然な色。

まるで死者のように死んだ、抜けきった色だと言われている。


それに加えて彼の瞳は魔物や魔王しか持っていないと言われる真っ赤な血濡れた瞳。


あまりにも異端で恐ろしい存在だと貴族に囁かれ、距離を置かれていた。


というか14歳にして三白眼。目つき悪いの怖い。


・・・まあそんな外見のことはどうでもいい。


私は、先程のやり取りと、彼の人柄を考えて最悪な婚約だと思っているのだ。


「謹んで、この婚約お受け致します。」


──本当は婚約なんかしたくないけど。


そのめちゃくちゃ小物臭漂う悪役ヅラを手に持っている扇子ではたきたいけれど。


「・・・フン、何か気に入らない面をしているな。言っておくがお前に選択権はない。せいぜい俺の引き立て役になっておけ。」


 そう言ってウェイドは、私を肘でどついて目もくれずに去っていこうとした。


「──あっ」


これこそ最悪だ。


どつかれたせいで、よろけたその後ろには、我が家の階段があった。


・・・なぜ私の真後ろに階段があるかって?


今日、ウェイド・カニンガムが婚約の挨拶をと我が家にわざわざやってきてくれたと聞き、私は急いで顔を出しに来た。


けれど、その場でいいと言われ階段付近でこのような話をしていたからだ。(罵倒を受けていた)


 そのせいで、どつかれた時に体をよろけさせた私は、背中から階段を真っ逆さまに転げ落ちることになった。


「──やっ!」


「なっ────」


 どついてきた張本人のウェイド・カニンガムが顔を青くさせ手を伸ばしている。


その時には、我ながら性格が悪いけれども、ざまぁみろと思ってしまった。


──でもこんな男と婚約だなんて本当に最悪。


このまま疵物になってしまったとして婚約を白紙にできないかな。


だって──


「・・・典型的なDV男じゃない・・」


・・・DV男?


聞きなれない単語に首を傾げる前に強く頭を打ち付けてしまい、私は意識を失った。



・・・こんな時には、いつだって──

カッコイイ王子様が救いに来ると絵本には描いてあったのに。


そう思った直前に、ふわりと誰かに抱きしめられた気がした。

毎日投稿は難しい・・・です。

初めまして眞神乃 花咲と申します。


幼い頃から王子様よりも魔王とか、なぜか残酷に死んじゃったりする悪役キャラが好きだったりする変なやつです。

そこまでいじめなくても・・・この人可哀想だよ・・・結構好きかも?と思ったのがきっかけですかね・・・


最近悪役ポジの令息を救う的な小説も増えてきたので便乗させていただきました。温めてきた作品なので、多分、きっと、恐らく文章力は普段の5億倍くらい上手になっています。ただ、読者の好感と救いも残しつつ、生粋の屑にするのは難しいですねえ・・・

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