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第5話 異世界です

第5話です。

今回もアッシュ君と女性陣のトークをお楽しみください。


「それは私から説明するね」



変態女セラから解放されたリティスリティアはエメルへと向き直った。

エメルはそんなリティスリティアへと怪訝そうな表情を向けた後、俺を見た。



「で、誰よ? この無駄に可愛らしい子は? まさかアンタが攫ってきたんじゃないでしょうね?」



「バカを言うな。そこの変態女と一緒にするんじゃない」



むしろ俺様を攫ってきたのはリティスリティアの方で俺様は純然たる被害者である。

それ以前に世界最強の偉大過ぎる勇者である俺様が美少女攫いなどするわけがないことなど少し考えれば分かる事だ。


名ばかりの賢者エメルの妄言に辟易とする俺様の横でセラの「えー、私、変態じゃないですよぅ」という声が聞こえた気がした。


まぁ俺様の幻聴だろう。


どうやら流石の俺様も色んなことが起き過ぎて疲れているらしい。

偉大過ぎる勇者である俺様には休む暇もないということか。



「あのさ、いいかな? 説明を始めて」



「えぇと、どうぞ」



「えーと、初めましてだね、賢者エメル、聖女セラ。私は始まりの女神、リティスリティア」



「は? 何この子? そういう系な子?」



「まぁまぁ、そんなことを言ってはいけませんよ、エメル様。こんなにもかわいらしい子に」



またも金に意地汚い上に口も悪いエメルが話に割って入ってきたが、流石にこのままでは永遠に話が始まらない事に気づいたのかエメルの言葉を無視してリティスリティアは話を続ける。



「今日は訳あって君達をこの地に呼んだんだ。話を聞いてもらえるかな?」



「呼んだ? どういう意味?」



「どういう意味もそういう意味だ。お前らはそこのリティスリティアにここに転移させられたんだ。異世界を救う俺様の手伝いをさせるためにな」



「はぁ? 異世界? 冗談も大概にしなさいよ。そんなのあるわけないじゃない。それに転移魔法っていうのは古代人のみが使えた伝説の魔法よ。こんな小さな女の子に使えるわけがないじゃない」



『はぁ、呆れた』とでもいうような表情でエメルは俺様を見た。


自分ができないからと他人にできないと思うのはエメルの悪い癖だ。

俺様が出来ると言っているのだから出来るに決まっている。


それがこの女には分からんのだろう。



「ふんっ、待ってなさい。すぐにそんな嘘、私が……って……えっ、なんで?」



偉そうに何かを言い出したエメルはすぐに狼狽し始める。

実に騒がしい女だ。

落ち着いて話もできないようだ。



「なんで通信魔法が繋がらないのよ。魔王城からでも届いたのに!」



あぁ、なるほどな。


どうやらエメルはここからどこかに通信魔法をかけたらしい。

だが、繋がるわけがない。

ここは俺達がいた世界とは違う異世界なのだから魔力が届くはずなどないからな。



それでも諦めないのかエメルは通信魔法をかけ続けようとした。

だが、やはり繋がる事はなくエメルはぺたんとその場で尻もちをつき呟いた。



「……まさか本当に?」



「だから言っただろう。そこの女は正真正銘女神だし、ここは異世界だ。そしてもう一度だけ言ってやろう。お前らはめでたくもまた世界を救う俺様の手下として選ばれた。光栄に思うがいい」



「……なっ! なんでまた魔王と戦わなくちゃならないのよ! アンタ一人でやればいいでしょ! アンタ強いんだから!」



「魔王じゃないぞ。悪魔だぞ」



「同じことでしょ!」



「まぁまぁアッシュ様もエメル様も落ち着いて」



埒が明かない女だな。


俺様のような偉大な勇者ならばともかく、どうせ暇なのだから付き合ってやればいいだろうに。


俺様の貴重な時間を奪うとは中々いい度胸だが、一緒に旅したよしみに丁寧に説明してやることにした。


賢くない賢者エメルと変態チックな聖女セラさん。

その二人にアッシュ君を含めた3人で旅立つことになるわけですが、旅立ちは第7話の予定です。

次回は皆さんも大好きな金の話になります。

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