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第11話 王都到着

また金の話です。


グレイスの剣聖自慢とエメルの熱い視線を浴びながらようやく俺様達はグレイス王国の王都に辿り着いた。

俺様は荷台から降りて大きく伸びをした。

短い期間とはいえ狭い荷台の窮屈さと激しい衝撃で俺様の繊細過ぎるケツは我慢の限界ギリギリだった。

まぁこんなことはもうないはずなのである意味いい経験をさせてもらったと思えるのは俺様の器のデカさ故だろう。



「で、アンタらはこれからどうするんだ?」



王都へと入る門を抜けてすぐにある大広場の一角に馬車を一旦停めたグレイスがそう言いながら荷台の後方にいる俺様達の元へとやってきた。

こういう場合まずは宿屋の確保が基本なのだが、俺様達の場合、この街にどうこうする以前にまず確認しなければならないことがある。

俺様は手持ちで持っていた王国金貨を一枚取り出し、指で弾いてグレイスに向けて飛ばす。

グレイスは慌ててなんとかキャッチすると少し考えたような素振りを見せるとトンチンカンなことを言ってきた。



「……もしかして、くれるのか?」



「アホか。なぜお前に金貨をくれてやらにゃならん」



俺様がそう言うと、グレイスは手にキャッチした金貨を銅貨か何かと勘違いしていたのか「えっ、金貨!?」と驚いたように手の平を開いて確認し始めた。



「……ってどこの金だ? これ?」



「ん、あぁ、俺様がいた国の金だ。これここで使えるか?」



ドレアス王国というくらいだからこの国で出回っているのも王国金貨には違いないのだろうが、俺様達がいた世界で流通していたグレスデン王国金貨とは別物だと言う事くらいは分かっていた。

それでも俺達の世界でのグレスデン王国金貨の信用度は高く、グレスデン王国以外でも大概の国で使用することができたのでダメ元で聞いてみたのだ。



「見たことない金貨だな。まぁドレアス王国ではドレアス王国金貨しか使えないからそれ以外は全部一緒なんだけどな。溶かして金にすれば換金できなくもないとは思うが」



やはりダメらしい。

まぁ異世界なので当たり前と言えば当たり前の話だが、そうなってくると俺様が持つドレスデン王国金貨はこの世界では単なる金の価値しか持たない事になる。

当然、金は金なのでグレイスの言う通り金貨を溶かせば確かにそれなりの金にはなるだろうが、それより前に取るべき手段などいくらでもある。



「グレイス、希少品の買い取りをやっている商会を知っているか?」



金貨を返してもらい、俺様がグレイスにそう尋ねる。



「あぁ、今日ちょうど俺も買い取りと仕入しに行くつもりだったんだ。宿屋にこいつと荷物を置いて来てからでいいんなら案内するがどうする?」



「あぁ、それでかまわん。さっさと行ってこい。俺様達はここで待っている」



「あぁ、すまないな。すぐ戻る」



グレイスはいつも使っている馴染みの宿屋へ馬車と荷物を向かい、俺様と手下2人は広間で待つこととなった。

広場の中央に大きな噴水があったので俺様と手下2人はそのへりに腰をかけた。



「ていうかアンタなんか売れる物持ってたっけ?」 



エメルが先程の俺様とグレイスの会話が気になったのかそんな事を聞いてきた。



「ん? ないぞ。まぁ聖剣か防具を売ればかなりの金にはなるだろうが、売るわけにはいかんしな。そもそも俺様は現金主義だから金貨しか持ちあるかん」



もちろん正確に言えば保険のためにあらゆる傷を瞬時に回復させる超回復薬を1つ所持しているが、これは売るつもりはない。

今、これを手放せば次にいつ手に入るか分からんし、そもそもこの世界で手に入る物かも定かではないからだ。

まぁ俺様程の偉大なる勇者が手傷を負うはずがないので必要ないと言えば必要ないのだが、万が一に備えるのも偉大なる勇者である俺様の務めというものだ。



「お前が隠し持っている魔石をいくつか売ればいい金になるだろう。最悪お前の杖についてる馬鹿でかい魔石を売ればいい」



エメルがそれなりに金になりそうな魔石を複数所持しているのを俺様は知っていた。

なんでも魔石は魔法の杖に使う装飾以外の利用方法が多数存在するらしく、高位な魔法使いであるエメルにとっては必需品と言える物らしい。




「はぁ、そんな事だと思ったわよ。別にいいけど1つもあれば充分よ。アンタは知らないかもしれないけど純度の高い魔石はとても希少だから金よりも高価なの。まぁサイズにもよるけどね」



「ほぅ、そうなのか? 露店とかでそこそこの値段で売っていたからそこそこの価値しかないと思っていたのだが。じゃあお前の杖の馬鹿でかいやつを売ればかなりの金になりそうだな」



「あんな純度の低いクズ石と一緒にしないでよ。ていうかこれは売らないから。あるとないとじゃ魔法の威力が全然変わってくるんだから」



エメルが言う通り、魔法使いは別に魔法の杖がなくとも魔法を発動する事はできる。

だが、魔法使いに杖が必要か必要でないかと尋ねれば絶対に必要と100人中100人が答える程魔法使いにとって杖は必須。というのが俺達のいた世界では常識となっていた。


というのも大概の杖に備え付けられている魔石が装備者の魔力を魔法へと変換する効率を引き上げる効果があるらしく、少ない魔力でより大きな効果上げる事が可能となるらしい。

そして、魔石の純度やサイズによってその効果に違いが出てくるのでいかに高純度かつサイズの大きな魔石が装着された杖を手に入れるかが魔法使いにとってはかなり重要な事になってくるのだ。


ちなみに俺の持つ聖剣にも5cmほどの小さな魔石がついているが、これもサイズこそはそこまでではないがかなりの高純度の魔石だと聖剣をくれた爺が言っていた。

剣の場合だと杖とは違い、魔法だけではなく接近戦がメインになるのでこのくらいのサイズが一番都合が良いと聖剣を作った昔の人間がこいつを選んだらしい。


俺としては頑強さと切れ味の良さからこいつを愛用しているだけで魔石による魔力伝達効率うんぬんはあまり気にはしていないのでエメルほど魔石の純度や価格などは気にしないのである。



「まぁとりあえず2,3日遊ぶ金にさえなるのならなんでもかまわん。どうせ悪魔討伐報奨金の前金でどうとでもなるからな。それに俺様程の偉大なる勇者になれば何もせんでも金など山ほど湧いてくるしな」



ここが異世界だろうがなんだろうが、俺様程の偉大な勇者が金に困る事など天地がひっくり返ってもありえないのだから。



次回商会へ。

アッシュ君が店員にメンチを切ったり、カウンターに拳を叩きつけたりします。


チンピラ? いいえ勇者です。


あっ、あと作品執筆のモチベーションに繋がりますので面白そうだったら構わないので評価とかブクマとか頂けると嬉しいです!

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