ぶらり出発
パソコンを買いました。
次回からおそらく章の話に入っていくので、次の話投稿後、毎日投稿となります。
あの謎の幼女との邂逅の2日後、クロムとメイが帰ってきた。
これで今回の調査は終わりになるらしい。
「それですね、よくわからないまま、その幼女と操作技術を磨き続けたんですよ。」
「それで結局なにもわからないまま帰られちゃったんでしょ?」
「そうなんですよねぇ。あの幼女、名前さえも教えてくれなかったです。そもそも一言も言葉を交わしてない?」
「あははははは、本当に全てが謎のままいなくなっちゃったんだ。」
「一緒に頑張ったんだからもうちょっといて欲しかったのに.......。」
謎の幼女のことはメイに話を聞いてもらった。
ていうかあの幼女、1人で何やってたんだろうか。
「おっ、お前らなんの話してんだ?」
クロムも会話に混ざってきた。
「聞いてクロム、あかりが人と出会ったらしいんだけど、その人のことなーんもわからないまま別れちゃったんだって。会話すらもしてないらしいし。」
「全くないのか?」
「そうなの。会話なしなのにどう意思疎通したのって聞いたら、『あのときは心が通じあってた......』なんて言い出すんだよ!」
「あかり。」
なんだろ?
なにか問題が.......っ!
「もっと冷静になろうぜ。」
やかましいわ。
1日たっぷり休んだ後、いよいよ街へ向かうことになった。
始まりの地をとうとうでるのである!
「よーし、出発しますかー!」
「「おー!」」
メイの掛け声でとうとう出発だ!
「ねぇあかり。ひとつ魔法を教えてあげよう。」
おっと。メイが話しかけてくる。
なに?魔法もう使えるの?
やりたいです!滅茶苦茶やってみたいです!
「あかりにオススメの魔法なんだけど、魔法『癒し』、主に疲労軽減、多少の回復効果もあってね。これを覚えないとこれから長距離歩くからキツいよ。」
ふむふむ、今の私に必須であると。
「使い方は簡単だから安心していいよ。魔力を意識して、使いたいところに染み込ませるように、ゆっくり魔力を押し込める。出来るかな?」
えーと、多分いけるね。
魔力に触れたのは、ついこの前だけど、ある程度は操作出来る。
この魔力ってのは、100%感覚で動かす。
意識して感じようとしてみれば、魔力というのは身体全体に広がってる水のようなもの。
これを染み込ませるというと.......
うん、なにも問題なく出来た。
「よしよし、何も問題なく使えてるね。移動時とかにはこれをつけっぱなしにすると楽になる。」
くっ、確かに楽になるんだろうけど求めていたものと違う……
移動用だし派手なものを期待してたわけじゃないけどさ。
体感でしかも少ししか感じられないという辛さ。
現実はこんなもんですかそうですか。
「いやー、飲み込みが早いねあかりは。魔力も初日の練習から動かせたし。魔力を動かせるようになるのはもうちょい時間がかかるもんなんだぞ?」
やったぜ褒められた。
もしかして私には魔法の才能が眠ってたりして?
いやー夢が広がりますなぁ。
「じゃあこれを応用してよりスムーズに動かせる訓練をしてもらおう!」
はーい。
「今は身体に魔力を染み込ませてるでしょ?それに強弱をつけてみる。染み込ませる量を多くしたり、逆に少なくしたり。」
お、おお?
すごい、大きくしたり小さくするとその落差で魔法が強く感じられる。
魔法使ってるよ私!
でも普通にやるよりずっと難しい。
今は肉体を動かしながら魔力を動かしているから、ごっちゃになる。
私の身体全体に重なるように広がってるけど、魔力って細胞の中にでも入ってんの?
うーん不思議だ。
「これもすぐできると……すさまじいね。」
おう、やっぱり隠されし魔法の才能が…!
[用語解説 魔法]
エネルギーを〈公開不可〉の法則に従い、それを現象や概念として起こす、いわば〈公開不可〉を易しくし、効力を下げた劣化版である。
ただし、劣化版といっても、〈公開不可〉なので、ある意味もっとも完成されているともいえる。
人類が呼称している、魔力というものに限らず、エネルギーであれば一部例外を除き魔法として発現させることができる。
ただしそれには〈公開不可〉の法則を適用できる場合に限り、一部適用できる特殊な器官をもつ生物に限る。