野生の幼女が現れた!
なになに、模試があるだって?
勉強をしなくてはいけない?
よし、投稿します。
異世界2日目
なにか書くものが欲しいと言ったら、このノートをもらった。
これを日記として、毎日記録していこうと思う。
異世界3日目
メイとクロムはここら辺一帯の調査へ向かった。
2日目は心配して残ってくれてたらしいので、やっぱり優しい人たちだと改めて思った。
異世界4日目
調査から帰ってこない。
ぶっちゃけ暇である。
異世界5日目
調査を終えてメイとクロムが帰ってきたのは、夜中だった。
なかなか大変そうだから、なにか手伝いたい。
異世界6日目
私がなにかやることありませんかと言ったら、魔力で動くおもちゃの車というものをもらった。
魔力が全く使えないので、練習したほうがいいと。
違うそうじゃない。
手伝いは出来なかったけど、暇は潰せそうかな?
異世界7日目
異世界にきて、1週間たった。
メイとクロムはまた別の方向の調査をしに行った。
魔力で動くおもちゃの車、魔力というものがわからなかったけど、なんとなーく、感覚でもわりと動かせた。楽しい。
異世界8日目
やばい、なかなかに面白い。
一日中遊んでしまった。
異世界9日目
「ふふふ、結構板に付いてきたんじゃないのー。この調子でどんどん車の操作技術あげていっちゃうよー!」
トコトコ トコトコ、チョンチョン チョンチョン
後ろ髪を引かれて振り返る。
幼女、ゲットだぜ!
はい。はいはいはい。
もう異世界に来た以上に驚くことはありませんよ。
そう考えると冷静になっていく。
私はひとまずその幼女を観察する。
ふむふむ、蒼い髪に蒼い瞳。
そこに白いワンピースを着ていて可愛らしい。
お、車のおもちゃに関心を寄せている。
幼女は車の近くに寄って魔力を動かし始めた。
おー、動いてる動いてる。
ってか、めっちゃ動いてる!?
すげーギュルンギュルンとドリフト回してるよあの幼女。
まぁそりゃこちとら魔力がない世界で育ったのは分かってるけど、幼女に負けるとなるとプライドが.......
よし、こうなったら負けてられん!
一緒に特訓じゃー!
私は幼女と競い合うように車の操作磨き、鍛えあげていった。
疲れた。
すんげー疲れた。
魔力は動かしているだけでも、結構体力を使う。
夕暮れ時、私は隣で一緒に寝転んでいる幼女をみた。
幼女は全く息を荒らげておらず、ぽけーっとしている。
そのままぼーっとしながら空を眺めていると、スっと幼女が立ち上がった。
「ありがとう、おねぇちゃん。バイバイ。」
「あ、うん。バイバイ。」
つい反射で返事を返してしまったけれど、幼女はそのまま歩いて去っていく。
動く気にもなれず、寝転んだ体勢のまま、幼女のその姿が見えなくなるまで手を振った。
ふぅ、とひと息つく。
今日あった出来事を一通り振り返りながら、日記を取り出す。
今日出会った幼女のことを思い浮かべながら書き出し.......
「いや誰だあの幼女!」
私は叫んだ。
ツッコミが遅いよ.......