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因果の少女は世界を廻る  作者: 愛澤スムージー
まだ見ぬ宙を求めて
3/5

分岐点《ターニングポイント》2

フロドラの角のかけら周回はもういやだぁ(絶望)




直前までの話を全て書き直しました。

変わったところも多いので、既に読んだ人はお手数ですが、読んで貰えるとうれしいです。

「.......で、ここは何処なのか知らないと。」



「あかりも知らなかったの?ここが?本当に?」



「うーん、とくに見覚えはないかな。」



自己紹介のあと、私たちはお互いのことを知るために、話し合うことにした。

でも一番の問題点、此処がどこなのか互いに知らないということである。



「つかぬことを聞くようだけど、あなたはどうやってここに来たの?寝てたけど。」



あっ、1番の問題点、ただいま更新されました。

いや私どうやって来たんだ?

冗談抜きで。

寝るまえのことを思いだそうにも、なんーかぼやける。

私ボケた老人じゃないんだけど。JKなんだけど。

まぁここは正直に答えるべきだよね。



「わからないかな。」



「うーん.......わからないこと多すぎない?」



そう言ってメイは苦笑いしてくる。

そう、そうなのだ。

私、こういう時は正直にした方がいいと思い、質問に答えて言った結果、わからないを多用しているのだ。

わかりやすく言うと、めちゃくちゃ怪しいのだ。

この青空のもと、見渡す限りなにも見えない大地では、ぜひとも助けて欲しい。

.......お互いに道わからないけど。



「あっでもでも、なんとなくここに来れたイメージならあるよ。」



「イメージ?」



「イメージって言うか、うろ覚えの夢?」



「ちょっと気になるから教えて?」



「まぁいいけど、ちょっと待っててね。」



えーとあれは確か.......


「白い光に包まれて、なにか声が聞こえて、ぐるぐるーって。」



断片的すぎる。

もっというと、語彙力が足りない。



「えぇっとそれは.......」



どうやって反応すればいいかこまっちゃってるよ。

語彙力のなさで相手に伝わらないの、これ私の得意技だから。



「まぁあれだよ、ほんとにうっすいイメージだから。」



ま、まぁ間違ってはないから!

イメージがおぼろげなのは本当だから!



「うんうん、うんうん、嘘はついてないし、大丈夫かな。」



ん?

なんか思ってた反応と違う。

苦笑いかなんかされるかと思ってたのに、なんか考えこんで独り言してる。

どーゆー反応をすればいいんでしょうか。



「あの、真面目に考えなくても.......」



「よし、おけ!」



おうビックリした。

なにか知らないけど解決したみたい?



「あかり、私少し嘘をついてました。ごめんね?」



パチンッ、とメイが指をならす。



「出てきていいよ、クロム。」



「おう、その反応だと白ってところか?」



「そうだったみたい。」



え?はい?

人がどっかから、なにもない空間から出てきた。

優男っぽい男で、黒っぽいグレーの髪と瞳をしてらっしゃる。

ちょっと待って。

嘘ついてましたカミングアウトから一気に展開が進みすぎて頭が回らない。



「あちゃー、混乱させてしまったみたいだね。俺はアラス クロムウェル、長いからクロムって呼んでくれ。」



「あーえー神明 灯、あかりです。」



「よろしく!あかり!」



手を出されたので握手した。

頭が追いつかなくてもなりゆきにまかせとけー!

























「まとめると、メイとクロムは今私たちのいるここの調査をしに来たってこと?」



「そんなもんだな。」



「そしてそこで呑気に寝ていた私がちょー怪しかったと。」



「その通りだ。あかりは白だったけどな。俺らにはそれを知る方法がある。」



「ひとつ聞いてもいい?」



「いいぞ。」



「こんな広い土地は、一瞬で、こんな荒れ果てた地になったの?」



「俺も信じられないかも知れないがそうだ。それこそ莫大なエネルギーが必要だが、そこさえ目を瞑ってしまえば、あとは大規模な魔法かなにかで出来るかも知れないな。」



そう、そうなのだ。

魔法、魔法があるのだ。

私の記憶の限りではそんなものあった記憶はないんだけど。

そこで私はひとつの結論に達した。

期待することはあるだろうけど、実際になったらこまるやつランキング第一位。

仕事人トラックに轢かれて始まる、異世界モノ。

私は赤ちゃんにはなってないから異世界転移かな?



「冷めないうちにどうぞ。あかり。」



メイからシチューをうけとる。

暖かい。


このシチューも魔法を使ってつくられたっぽい。

暗い夜を照らす灯りも、シチューをつくる器具も、材料さえも、すべてクロムが出した。

シチューのルーがあったのは衝撃的だった。

技術力が高い。

まだ確定ではないにしろ、異世界って言っても、現代と文明はそう変わらないのかもしれなかった。



「あなた達は、私のこともっと疑わないの?」



なんか、すんなり疑いが晴れた。

それがちょっと怖くなって聞いてみてしまった。



「ん?そんなことか。」



「あっ、助けて貰ったのにすみません。」



言ってから気づいたけど、この言い方は図々しすぎた。



「気にすんな。さっきも言ったろ?俺ら、まぁメイにはだな。知る方法があるんだ。取って食ったりはしないから安心しろ。」



「はぁい、見破ったメイでーす。あかり、食べ終わったならお皿回収するね。」



「ありがとう、メイ。」



「どういたしまして、あかり。」



いい人たちだ。

本当に。

私が実行犯ではないとしても、関与している可能性は十分あるし、記憶がおぼろげだから覚えてないだけなのかもしれない。

それでも2人は優しくしてくれた。

私が困っていたからだろうか。

それが自意識過剰だったとしても、いい人であることに変わりはないと思う。

出来るだけ、この人たちは誠実であろうと思う。



「じゃ、飯も食い終わったし、あとは寝るだけか。」



「クロム、よろしく!」



「おうよ。」



ポンと、持ち運びには不便そうな、デカいテントが2つ、現れた。

.......これも魔法なのか。

ただただすごい。



「じゃ寝るぞー。」



「あかり、こっちおいで。」



「はーい。」



ついていき、渡された布団を被る。



「ふふっ、私、こんな依頼中に女の子に会うと思わなかった。」



「私は会ってくれてありがたかったよ。合わなかったら今頃どうなってたことか。」



「ふふっ、そうだね。私も会えてよかったよ。」



.......少し恥ずかしい。

そこで会話は途切れたけど、この静寂も心地いいかも知れない。



それからほどなくして.......



「おやすみ、メイ。」



「おやすみ、あかり。」



異世界初日、今日はいい夢が見られそうだ。

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