なろう小説が嫌いななろう作家の独り言
私はなろう小説というのは嫌いだ。世界を救える力を持っても使わず、自分の私利私欲の見栄を張る為だけに使う主人公が多くて納得いかないのだ。仮面ライダーとか牙狼を見てみろ。強大過ぎる力について悩んだり、守りし者として戦うヒーローを見習って欲しい。
愚痴が出てしまった。失礼。
だが、私のようななろう作品があまり好きではない方は少なからず存在する。この文はそういった方々、そして私のような不人気作家に読んでほしい。
そんななろう嫌いな私はこの小説家になろうで作品を掲載している。正直、人気があるとは言えない。はっきり言ってなろうの大半の作品よりは絶対に面白いと胸を張って言える。(そもそも自分の作品を面白いと思えないのなら小説は書かないが)
しかし、人気がない以上、どんなに面白いと言っても所詮は負け犬の遠吠えでしかない。
私だっていくら趣味で執筆しているとは言え、沢山の読者に読まれ、評価されたいクリエイターの端くれだ。
私はプライドというチンケで薄い膜を丸めてゴミ箱に放り投げ、敵情視察も兼ねてなろう小説と言うものに触れてみることにした。
大体7作品くらいは目を通した。ランキングに乗るような作品ばかりで不人気作家の私には霞んで見える程の位置にいる作品だ。さぞかし面白いのだろうと意気揚々と読み始めた。
しかし、いくつページを捲ってもどうにもハマらない。プラモデルやミニ四駆では組み立てる際にカチッと噛み合わせるように組むパーツも存在する。そういうパーツって組んでいて楽しいし、気持ちがいい。だが、全てのパーツがそうであるハズがない。噛み合わせの悪いパーツだってある。うまくハマらなければ爽快感なんてものはなく、そもそもハマらなければ娯楽には成り立たない。結局、私はなろう小説を読むことを諦め、本屋で普通の本を買って読んでいる。
しかし、気づいたこともある。私の作品はなろうには向いていないということだ。
これは自虐ではない。そもそも目指している到達点が少し違うのだ。
私の作品というのはあくまで娯楽物の一つだ。物語を楽しみ、登場人物達の会話を楽しむ。そう言った目的で私は書いている。
一方で一般的ななろう作品と私の作品では何が違うのか。私が感じたことはシミュレーション性があるかないかだ。
予め弁解しておくが私はなろう読者を馬鹿にしたり、蔑みたいわけではない。
基本的にランキングに乗るなろう小説の大半は一人称視点だ。主人公視点で様々な敵を倒し、ハーレムを築いて物語内で幸せに暮らすのが殆どの作品の流れだろう。なろう小説を楽しめる読者というのは主人公に感情移入、或いは自己投影している方が多いのではと私は思った。そして、そういう読者達は辛い現実を過ごし、一つの逃避手段としてなろう小説にハマるのではと思うが真意はわからない。
もう一度言っておくが別になろう読者を見下してはない。偏見が混じっているのも自覚しているが私も就活生として日々苦しんでいることを頭の片隅に入れておいて欲しい。
話を戻そう。読者のことを踏まえた上でなろう小説にスポットを当ててみようと思う。私が思うになろう小説というのは今現在話題になっているラノベとは少し違う。とあるシリーズみたいに主人公のかっこよさを楽しんだり、ブラックブレットのようなディストピア的世界観を楽しんだりする要素がある。しかし、なろう小説というのはそう言った要素が薄く(世界観に関しては殆どの異世界ものの舞台が中世ヨーロッパ風な時点で明らか)どちらかと言えばギャルゲーやドラゴンクエストのようなRPGに近い。
簡単にまとめるならなろう小説というのは物語を楽しむというよりも主人公に自己投影して人生を楽しむという普通のラノベとは違った娯楽性が強い。私は勝手に逃避的娯楽性と呼ぶことにする。
私の作品というのは逃避的娯楽性はない。私の書く主人公は様々な困難にぶつかって苦しみもがいたり、一人の女性しか愛さないというキャラクターしかいない。良くも悪くも普通のキャラクターである。なろうではそういった自己投影し辛いキャラクターは求められていない。私だって格好いいからと痛い思いや辛い思いをしたくはない。ニーズがあってないから、読まれないのだろう。
そもそもつまらないから読まれないというのが決定的な理由だろうが、そこは私の硝子のメンタルを考慮して考えないでおく。
そろそろ結論に入ろうか。
小説家になろうという場所は面白い話を書くだけの場所ではない。流行を察知し、読者を求め、寄り添える作品を生み出すことが面白さと同等以上に必要なのだと私は思った。
正直、後者は面白い話を書くことよりも一層難しいのは確かだ。まとめサイトやらで馬鹿にされているなろう作品も観点を変えてみれば、評価するべき点が見えてくる。
あんなにつまらないのに何でそんなに売れているのか、ランキングに乗るのかと顔を真っ赤にして批判しても意味はない。なろうで評価される作品というのはなろうの読者向けに書いているのだからなろう嫌いに評価されないのは当たり前だ。
豚骨ラーメンが好きでも二郎系が嫌いでも家系が好きということと同じだろう。
だから、安易になろう小説は嫌いと声高々に言うのは止めておこう。純粋に楽しんでいる読者に失礼だから。
さて、話はここで終わり。
思いつきで書いたが故にわかりづらい部分やら矛盾している部分があるだろうが気にしないでくれ。
それが私の作品が読まれない理由なのだから
そして、一言でも物申したい方は余程の誹謗中傷をしない限り是非とも言ってほしい。
見識というのを広めたいからね。