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夏物語  作者: 聖石
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なつものがたり

初夏の朝の日差しが射す坂道。その坂道の右端にあるガードレール。その坂道を抜けて見える八百屋さん。

八百屋さんのある道をまっすぐ行って左に行ってあるのは小さな川に建てられた人の歩幅より少し小さな橋---。

そしてそこを渡ると視界の端に見える白色の建物。そこが僕の通う高校だ。高校というワードから想像される建物を忠実に再現したような校舎の作りには入学当初こそ新しい場所などから心踊ったこともあったが2ヶ月と少し経った今ではその気持ちに何の裏切りも期待も生まれないただの白い建築物と化してしまった。

何も変わらないいつもの登下校の道を自転車で通う普通の高校生。それが僕、基山颯斗の姿そのものだった。

名前だけから見ればなかなかの爽やかな、イケメンを感じさせる風貌を感じさせるが、今までできた彼女は0。

中学2年生の時に一時期流行った見た目ランキングでは女子生徒からの票数のみの投票で男子18人中9位というランキングの結果として喜べるのか喜べないのか微妙な気持ちを抱いたのはもう懐かしい思い出だ。


一日が始まるなぁ


そんな気持ちでこの道を歩くのは何日目だろう。そんなことを考えながら学校の門をくぐって下駄箱で靴を履き替え、そこからすぐの階段を昇り二階へ。

2ーCと書かれた教室に入って周りのクラスメートに挨拶しながら窓際3番目にある自分の席に座る。カバンを置いて仲が良い友達のいる場所をキョロキョロと探して手を振りながらその輪に加わる。

8時42分。教室に入っておかなければならない50分より10分前後に着くいつもの時間。いつもと変わらない日常の始まりを告げるチャイムが鳴り、担任の先生が入ってくる。

「よーし、席に着けよー」

ゾロゾロと動くクラス35人。各々の席に着いて先生のいる教壇に目を向ける。


出席確認


「出席とるぞー」

自分が思った通りに進んでいくいつもの流れ。出席番号1番の青木さんから教員歴7年目が来る先生の手慣れた点呼が始まり出席番号35番の渡邊さんで終わる点呼はものの2分程で終わり、先生は全員の名前が書かれた名簿を教壇の端に置いた。


そして連絡事項


「連絡を確認するが、委員会や係から何か連絡事項はあるか?」

先生の問いかけに学級委員長である越智君が手を上げて連絡事項を伝える。

「今日は月一の大掃除の日のため、大掃除用の場所分担の表を張り出しているため確認お願いします。」と、黒板の右端に張り出された紙を指差しながら全員に呼びかける。そして越智君が席に座ったことを確認すると

「他には?」

との先生の問いに沈黙が続き、無いことを先生がクラスに確認する。


授業開始


「無いようなので授業を始める…」

その言葉に1時間目である数学の準備をしようカバンに目を落としていると先生の

「…のその前に」

の声に僕は顔を上げる。

「今日からクラスメートになる転入生を紹介するぞ。

さ、入って。」

先生が教室のドアに目をやるとクラス一斉にドアに目線をうつす。


ドアを開ける音、そして入ってくる女の子の姿。長髪で少し茶色がかった髪をなびかせながら歩く姿に僕は目を奪われた。


綺麗だなぁ


細くは無いが程よい肉付きの少女に僕はあっさりと恋をしてしまった。

「西宮かおるです! よろしくおねがいします!」

挨拶するその言葉、声、そして何よりその笑顔に




僕は生まれて初めて一目惚れをしたのだった。



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