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僕のクラスは裁判所  作者: 紺
3/9

3章、4章、5章

教室につくと血液の海だった。

そして次々と起こる問題点。

僕ってなんかついてないよね…

3、お掃除タイム



「うわぁ…」

「…………」

「う、うぅ…」

これは、どうなっているのだ…教室に向かったら一発目がこの地獄の絵図。

とても血生臭くまだ新鮮な血液が教室中広がっている。

僕と有は、見慣れているが愛菜は真っ青な顔色だ。

流石に一般人にはきついかな…

「な、な、なんですの…何でう、うぅ………」

「……死体は無いな…」

有は、教室を見渡してぼそっとつぶやく。

確かに死体は無い。でも、何でこんなに新鮮な血が広がっているんだ…

「ピンポンパンポーン…」

「…!」

いきなりの放送に少々ビビった。

愛菜なんて頭を抱えてしゃがんでしまっている。

「えー。おはようございます!そして入学おめでとうー!えっとね。

生徒の皆さんに悪いんだけど教室のお掃除お願いできる?

お掃除が終わったら体育館に来てね!」

と、雑に放送が切れた。今のは学園長かな?

でも、子供の声だったよな。

「うーん。謎の学園だなー」

「謎すぎんだろ。血液に子供の声。私立にしてはふざけすぎる。」

と、無表情な顔がだ少し難しい顔をしている。

あとから来た他の生徒たちは悲鳴を上げたり気を失っている人がいた。

そりゃあそうか…


「ふぅ…終わったー」

なかなかきついお掃除タイムだった。

「ふぇぇ…血ぃーー」

「気持ち悪い。吐き気が…」

などなど。血への不満の声が上がっている。

「お前らの体も血液ながれているだろ…」

有は冷たい目で生徒たちを見ていた。僕も同意見だ。

それを聞いた生徒たちは沈黙に落ちた。

「な、なんで、有と能は平気な顔なの…」

と愛菜はまだ顔を真っ青にしながら言う。

生徒たちもその意見に賛成しながらも僕達に言いつける。

「………………」

これだから、嫌いなんだ。こうゆう人間は。

弱気になっていたのにいきなり強気になって文句など言うやつ。

有は、軽く舌打ちして不満な顔だった。

僕も多分そんな感じの顔だろう。

「慣れてるから。」

僕は短く答えた。長々と説明する資格なんて無いな。こんな奴らに。

「な、慣れてる?な、何それ…」

誰かさんの発言のせいか変な目で見られた。

あぁ、ほんとに嫌いだ。

「うっさい。人の事情に首突っ込むな。」

有は冷たく言い放ったあと教室を出ていってしまった。

「はぁ…」

僕はため息をついたあと生徒たちを見た。

戸惑っている人もいたがやっぱり変なものを見るような目でいる人もいた。

「とりあえず、体育館に行こう。」

僕の発言に我を返ったのかぞろぞろと教室を出ていく。

その中に愛菜もいた。やっぱり君もあちら側の人間なんだね。

一人残された僕。

……僕と有をそんな目で見たことを後悔させてあげるよ。



4、入学式


僕が体育館に来た頃にはもう皆が集まっていた。

流石にみんなからの視線が集まる。目立ってるな。

「んもぉ!おそいよ!待ちくたびれたよ!」

声する方に目を向けると…

「子供?」

ステージの上に8歳くらいの子供が立っていた。

スーツを着ていてお坊ちゃんぽい。

頬を膨らませていて僕が遅れてきたことに怒っているようだ。

「入学式は大事なイベントだぞ!次はこうゆうことが起きないように!」

年下の人に怒られるとか…

僕は適当に謝った。

子供は単純なのか満足そうに頷いて話し始めた。

「はいはい。では、第100回!入学式を始めます!」

第100回?随分長いこと学園やってんだな。嘘っぽい。

「でわぁ、新入生代表……誰でもいいや。推薦で!」

適当だな。代表者くらいきめとけばいいのに…

誰がやるんだろ?

「はいはーい」

と元気よく手を上げたのは……

「わっち。わっちやるよ!」

自分のことを"わっち"と呼ぶ、ハイテンションの女性。

いかにも馬鹿っぽい。

「んじゃあよろしく!」

ハイテンションの女性はスキップをしながらステージを上がっていく。

マイクの前に立ってお辞儀。

「えっと、新入生代表!鏡音(かがみね) (らん)は、生徒たちと共に学園の生活を楽しく過ごしていくことを誓います!」

…………まぁ、まだマシな挨拶かな?

バラバラの拍手だった。やる気ない感が溢れてるよ。

鏡音さんがステージから降りてもとの位置に戻ると沈黙に落ちた。

「新入生代表挨拶ありがと!では、各クラスの担当する先生発表!」

そのセリフが合図だったのか数名の先生たちが出てきた。

まだ若そうな人だ。

「では、3年1組。静先生 2組。海先生。そして僕が…………

 学園長だよ!」

ざわつきが出てくる。そりゃあそうだ。子供が学園長だからね。

ありえないことだ。やっぱりこの学園はおかしい。

「フフッ。楽しい学園生活を!」

ざわつきがおさまらないまま入学式は終わった。


5、始まりの生死


3年1組。僕のクラス。有も同じクラスだ。

教室の血液が残っているかのような微かな血液の臭いが残っていた。

クラスの空気も悪い。

生徒は席についていて沈黙が続く。入る学園を後悔したかのように…

一応、僕もその一人。こんな学園嫌だ。

でも、有は別に後悔とかないんじゃないかな?なんでもいいって感じだし。

その時、ドアが開く音が響く。

静先生の登場。

二十歳前半の女性教師。有には最悪の先生かな?

「あ、号令はいりません。時間が少々遅れているので」

先生は、少し高めの声で無表情だ。

「では、自己紹介から行きましょう。では、先生から…」

先生は、黒板にスラスラと滑らせるように書く。

チョークを置いて僕達の方を向く。

「!!?」

僕は一瞬呼吸が止まった。

「あ、浅間(あさま) (しず)だと…」

誰にも聞こえないほど小さな声でつぶやく…

なんで、なんであの人が…

有も珍しく驚いていた。

だって、浅間 静は死んでいるはずだ。

僕と有の目の前で。

「浅間 静です。よろしくお願いします。」

先生の自己紹介で我に返った。

つくづく、怪しい学園に入ったなと思う。

「では、順番に自己紹介をお願いします」

と、僕のほうに目を向けられた。

僕は、ゆっくりと立ち上がり口を開く。

「壱原 能。よろしくお願いします。」

「あ。立候補された職業も」

それをはじめから言ってくれ…

「探偵立候補されました。改めてよろしくお願いします」

探偵と聞いた瞬間生徒たちがざわめいた。

"ありえない"とか"見えない"とかの声がちらほら。

失礼すぎだよ。もう、いじめじゃない?

僕は聞かなかったことにして席に座った。

「では、次」

「あいよっ。」

と優しそうな人だが立つ。

身長高いな…。羨ましい。

「自分、空木(うつぎ) (とう)。教師立候補者だ。よろしく」

優しそうに微笑んだ。教師だったら人気がありそうだ。

空木さんが自己紹介終わったあとテンポ良く進んだ。

順番に紹介すると、

大田(おおだ) (みなみ) 保育士立候補者 ♀

菊島(きくしま) (さき) ガイド立候補者 ♀

琴口(ことぐち) (なつ) ゲーマー立候補者 ♂

星矢(せいや) (れい) 声優立候補者 ♂

って感じ。なんか長かったような…

「はい。次」

ガタッと乱暴に立つ音。あ、有の番だ。

「冬馬 有。探偵立候補者。」

探偵…見えないって感じの空気。まぁそこは同感。

先生は無表情を保っているが内心は色々と言ってそうだな。

乱暴に有が座ったあと再び自己紹介が続く。

そして長ーい、長ーい自己紹介が終わった。

うーん。眠い…

「では、自己紹介が終わったことで、ロシアンルーレット自己紹介を始めます…」

「えっ…」

思わず声が漏れた。

「今日は、何月何日ですか?壱原さん」 

「4月12日ですけど…」

「12番の方」

「へ!」

と声を上げたのは伊達眼鏡少年。

「起立」

「……………え」

「起立!」

「は、はい!」

ガタッと椅子を倒しそうになるほど慌てて立ち上がった。

「体育館までダッシュしてください。」

まさかの問題発言。"廊下を走りなさい"って言っているようなものだ。

「で、でも先生…」

「ダッシュです。」

さっきより鋭く冷たい言い方。

伊達眼鏡少年は、ダッシュで教室を出ていく。

「皆さんで12秒数えましょう。」

「…………」

何言ってるの。この人?って感じの空気。

「1、2……」

「さ、3、4…」

凍りついた空気に釣られたのか生徒は続けて数える。

僕は誰にでもわかるような口パク。

有は数えてない。目を、つぶっているようだ。

「11、12」

タイムセットだ。

「うぎゃあァァァァぃぃぃ」

「!!?」

遠くの方から叫び声が聞こえた。

すごい声だ。

「さようなら。バットボーイ」

「?」

先生は少し笑っている。生徒達は、廊下の方を見ているため誰も先生の顔を見ていない。

怪しい匂いがプンプンするよ。先生?

僕は有を見る。有は目を開けていた。

「「伊達眼鏡少年死んだかも」」

「「だな。バットボーイ」」

僕と有はアイコンタクト取りながら時間を立つのを待つ。


続く



響き渡る叫び声。

そして始めの生死が揺れだす……

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