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ポンコツお姫様姉妹と巡る異世界譚  作者: 綿あめ真
最強はだれだ!?王位決定戦!
75/88

今後トトちゃんのブラッシングはこの私に任せてください!


 一回戦はかなり苦戦した私たちだったけど、二回戦はお互い難無く突破することができた。


 そんなわけで晴れてベスト8まで残った記念で今夜は祝勝会をすることにした。


 参加しているのはいつもの四人+うっちー&魚ちゃん。


「二回戦突破、おめでとー!」

「「「「「おめでとー!」」」」」


 次はいよいよ準々決勝。私たちの相手は騎士団の二人組だ。


 試合を見た印象は強い…けど、正直王様と比べると見劣りする。

 私の結界魔法。そしてコルナさんとコリナさんがいれば負けることはないな。


 リリも同様に勝ち上がるだろう。新くんも勝ち上がってきそうだし、準々決勝で一番読めないのは…


「ギギ王子とネネ王女の対決が気になりますね」

「どちらが強いのですかな?」

「前回の大会では戦ってない組み合わせなんだよねー。ルルちゃんとリリちゃんはどう思う?」


 うっちーは前回大会も司会を務めていたみたいだけど、その時はお互い王様に負けたとのこと。


「私はわかりません!」

「やっぱりギギ兄様のが強いんじゃないかしら。普段はネネ姉様に怒られてばかりだけど」

「師弟対決らしいですね」

「そうね」


 リリの話だと、ギギ・エリンペアとネネ・ルーペアは普段から親交があり、中でもギギ王子はルーの槍の師匠。エリンはネネ王女の弓の師匠らしい。


 つまり、師匠だからギギ・エリンペアが有利じゃないかという予想だ。

 けど予選を見る限りだとお互い拮抗しているようにも見えた。


 ギギ王子も強かったけど、ネネ王女も予選でリリと互角に戦っていたから簡単には負けないだろう。


「ま、どっちが勝っても準決勝であたしたちに倒されるんだけどね!」

「スゴイ自信うおね」

「当然よ!負ける気なんてゼロよ!」


 リリが立ち上がりどや顔している。

 順当にいけば準決勝は…


 私たちVS新くん・おじいちゃんペア。

 リリ・トトペアVSギギ・エリンペア。


 になるだろう。優勝が近づいてきた。

 …だけど、私はもういつ負けてもいいと思っている。


 なぜなら当初の目的の、ルル様に対する国民の評価を変えるという目標は達成できているから。



 やはり王様に勝利した事実は強烈だったようで、道を歩けばルル様は注目されるようになっていた。それもいい意味で。


 ルル様をバカにする相手はもうほとんどいない。だから私は現状に満足している。

 だから優勝はリリでもいいんだけど…


「…リリが王様になったらすぐに国が滅びる気がするからなぁ」

「ちょっと!?どういうことよクロネ!」

「あ。声に出てた」

「本音ってこと!?」

「まぁまぁリリ殿。ほら。お肉が来ましたぞ。食べましょうぞ」

「あら美味しそうね。いただきます!」

「…」


 さっきまで私に怒っていたのに、お肉を見た途端幸せそうに齧り付いている。


 リリは戦闘は強いけど、おバカだからなぁ。そこがいいんだけど。

 個人的にはネネ王女に優勝してもらいたいな。しっかりしていたし。


「ほらトト。もっと食べなさい!あたしがよそってあげる!」

「リリ殿。こう毎日肉ばかりだと飽きてきますぞ…美味しいのですが…」

「え?お肉って毎日食べても飽きないわよね?」

「「「「飽きるよ」」」」

「うっそお!?」


 リリが衝撃を受けてるけど、肉に限らず同じものを食べ続ければそりゃ飽きる。


「じゃあトト?代わりに食べたい物は?」

「そうですなぁ。…何でもいいですぞ」

「それが一番困るのよ!…それじゃあ、してほしい事でもいいわよ?最近トトは頑張ってるから、ご褒美を上げる」

「してほしいことですか?でしたら…ブラッシングをしてほしいですぞ」

「ブラッシング?」

「はいですぞ」


 トトちゃんによると、三日に一度は自分でブラッシングをしていたらしい。

 けれどどうしても自分の手では届かないところがあるらしい。そこを頼みたいと。


「どうして今まで言わなかったのよ?」

「結構恥ずかしいのですぞ。それに、こんなことをリリ殿に頼むのは気が引けたので」

「気にしなくていいのに。それじゃ、今夜してあげるわね!」

「はいですぞ」


 今夜のお風呂上りにブラッシングをするらしい。トトちゃんがお風呂の後にこそこそ何かしているのは知ってたけど、ブラッシングだったのか。私もちょっとしてみたい。


「ルル様も今夜ブラッシングしますか?」

「私人間ですよ!?」


 そうか…残念だ…

 その日の夕食はブラッシング談義でお開きとなり、お城に戻ることになった。





 そして帰ってお風呂に入り…


「どうしてルル殿とクロネ殿がこの部屋に来るのですか!?」

「「ブラッシングが見たくて…」」

「恥ずかしいと申したはずですぞ!!」


 四人でお風呂に入った後、そのまま私とルル様はリリの部屋までついてきた。

 理由は「リリちゃんに言いづらいのなら、私とクロさんも出来るように見学しましょう!」 とルル様が満面の笑顔で言ってきたので賛成したからだ。


 ルル様がトトちゃんの手を取って力説している。


「安心してください!これからは私とクロさんもブラッシングのお手伝いをしますので!遠慮は無用です!私たちの仲じゃないですか!」

「このお節介モードのルル様には何を言っても無駄かも。トトちゃん」

「むぅ…仕方ないですなぁ」

「それで?どうやってやればいいの?トト」

「このブラシを使って、背中の毛並みを整えてほしいのですぞ」


 諦めた様子のトトちゃんが棚からブラッシングを取り出してリリに渡す。

 そしてトトちゃんはパジャマを脱いで床にうつ伏せになって寝た。


 トトちゃんの背中は犬獣人なだけあり茶色の毛が生えている。

 ちなみに尻尾は…お尻の上についている。


「上から下に、優しく梳いてくれると嬉しいですぞ。優しく!優しくですからな!」

「わかってるわよ。そっとね!」


 リリがうきうきしながらトトちゃんの横にしゃがみブラシで毛を梳く。

 最初はぎこちなかった手の動きも、徐々に滑らかになっていく。


「ふぁあああ…自分でするより気持ちいですぞ…」

「ホント?良かったわ」

「もうちょっと下のほうを重点的にお願いしますぞ…」

「はいはい」


 てっきり力いっぱいやるのかと思っていたけど、トトちゃんの念押しが効いたのか労わるように梳いている。トトちゃんも気持ちよさそうだ。 


「リリちゃんの意外な才能を見ました!」

「リリは絶対できないと思っていたのに…」

「ちょっと外野がうるさいわよ!」


 もしかしたらマッサージとかも上手いのかもしれない。馬鹿力だけが取り柄じゃなかったのか…

 それからも丁寧に丁寧に背中の毛を梳き、残すところは尻尾だけとなった。


「もう大丈夫ですぞ。とても良かったのですぞ」

「え?尻尾もやってあげるわよ」

「いえ大丈夫ですぞ。自分で出来ますからな」

「いいからいいから。ほらすいー」

「ひゃひぃ!!」


 リリが尻尾にすぅーとブラシを入れると、ビクンと跳ねて変な声を出すトトちゃん。

 おやおや?


「ちょ…リリ殿…だから自分で…ひぅ!」

「トトのそんな声初めて聞いたわ!もっと聞かせなさい!」

「あっ…!ひっ…!ルル殿!クロネ殿!助けてくださいですぞ~!」

「え~でも…トトちゃん気持ち良さそうな顔してますよ?」

「とろけてますね」

「それが嫌なのですぞ!!」


 もっと見ていたいけど本気で顔が真っ赤になっているので助けてあげる。


 リリを羽交い絞めにして引き離すと、トトちゃんは布団に潜り込んで出てこなくなってしまった。


「うぅ~…やっぱり頼むべきではなかったのですぞ…」

「でも背中スッキリしましたよね?とってもきれいになりましたよ!」

「それはそうなのですが…」

「次は私に!このルルにやらせてください!自信あります!」

「勘弁してくださいですぞ…」


 ぐったりしているトトちゃんを見るのは貴重だ。

 トトちゃんは尻尾が弱点…っと。


 強力なライバルの弱点も知ることが出来たのでそろそろ退室することにする。


「ルル様。もう寝ましょう。明日も私たちは第一試合ですよ」

「そうでした!明日に備えましょう!」

「おやすみ!明日もお互い頑張りましょ」

「おやすみなさいですぞ…」




 その夜は私とルル様もブラッシングの予行演習をしてから寝た。

 ルル様はやる気満々なのでしばらくの間トトちゃんの毛並みは艶やかになることだろう。


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