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ポンコツお姫様姉妹と巡る異世界譚  作者: 綿あめ真
最強はだれだ!?王位決定戦!
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久しぶりのモフモフ堪能です!

 ルル様の引きこもり生活も終わりを告げ、私たちはノウキングダムに帰ることになった。


「コルナさんとコリナさんに送ってもらいましょうか」

「それはちょっと心の準備が!!」


 現在位置はノウキングダムと西の獣人国の中間地点にある村だ。

 そのため北の街に行った時に比べて半分の時間で済む。コルナさんとコリナさんに送ってもらえれば丸一日もあれば到着するだろう。


 しかしルル様は心の準備が出来ないとダダを捏ね始めたので、結局徒歩で行くことになった。

 徒歩なら…1ヵ月掛からないくらいかな?


 王位決定戦に出るのなら旅の合間に訓練をするのもいいだろう。

 そんなわけでリリとトトちゃんはコンビネーションの練習をして、私はルル様と稽古することに。


「では訓練を始めます」

「お願いします」

「まず私たちの戦い方を一緒に考えましょう」

「わかりました!」

「基本はルル様が召喚している間に私がルル様を護衛。召喚が完了したら攻勢に出て相手を倒す。流れはこうなるかと思いますが…何か質問はありますか?」

「はいはい!」

「はいルル様」

「誰を召喚すればいいですか!」

「うーん…とりあえず今まで契約した方を整理してみましょうか」


 これまでの旅でルル様は多くのテイム、契約に成功している。いい機会だから少しまとめてみよう。

 地面に杖で絵を描きながらルル様と確認する。




 まず初めてテイムに成功したスライムのラムちゃん。ぶっちゃけ戦闘能力はないマスコットキャラだ。


 続いて旅人になぞかけをして間違えると食べるらしいスフィルクスさん。この方は身体は獅子で鷲の翼を持ち、顔は人間の美人さんという見た目で能力は未知数。けど間違いなく強いことは確かだ。


 そして私たちの友達兼契約済みのミツキさん。

 ミツキさんは水龍神の娘なだけあって水属性の魔法に特化している。力もAランクの魔物2体を同時に圧倒するほどのポテンシャルがある。


 それから北の街を出た後に出会った九尾のコルナさんとコリナさん。彼女たちはスピードと火魔法が自慢でコンビネーションも抜群だ。


 最後に迷いの森で大量にテイムした透明になって攻撃できる透明カメレオン。このカメレオンの凄いところは触っている自分以外のものも透明にするところだ。様々な可能性を秘めている。


 一応竜人のコロさんもいるが…コロさんはリリの所有物みたいになっているので数にはカウントしない。


「纏めるとこれくらいですか」

「この旅でたくさん知り合いが増えましたね~」

「そうですね。問題は誰を召喚するかですが…」

「皆さん個性的ですから悩みますね」


 2人でう~んと唸る。相手に合わせて変えるのがベストなんだろうけど…相手の情報を知らない場合を想定しておくべきだ。

 

 ルル様がはいはい!と手を挙げたので指名する。


「私はコルナさんとコリナさんを推します!」

「なぜですか?」

「コルナさんとコリナさんに来てもらえれば、乗って逃げることが出来るからです!」

「…なるほど。いいかもしれませんね」


 ルル様自身は超貧弱だ。もしルル様を直接狙われたらワンパンKO待ったなし。だけどコルナさんかコリナさんに騎乗すれば相手も攻撃しづらくなるだろう。私も攻撃魔法に集中できる。


 合理的だったのでルル様の案を採用し、早速練習に入る。

 だけど練習に入る前に一つ問題が。


「コルナさん達は迷惑じゃないですかね?」

「う~ん…どうでしょう」


 自分だったら…突然召喚されて戦えと言われたらキレる。召喚される側にも都合はあるし、拒否権だってあるのだ。


 結局いくら私たちが悩んでも答えは見つからないので本人に直接聞いてみることにした。

 ついでに召喚開始から召喚までの時間も計る。


「召喚!コルナさん、コリナさん。来てください!」


 ルル様が右手を掲げ召喚を開始する。

 ルル様の手の甲に九尾の尻尾の紋様が現れ、地面に出現した青色に光る魔法陣からコルナさんとコリナさんが現れる。


「ん?ここは…ああ。ルルか」

「何用?」


 2人が人化して私たちに尋ねてきたので、これから始まる王位決定戦についての詳細と、それのお手伝いをしてほしいと願い出る。


 ちなみに召喚の時間は10秒くらいだった。


「ふむ。それはルルの…ノウキングダムで行うのか?」

「そうですね」

「…どうする?コル姉」

「いいじゃろ。手伝ってやる」

「いいんですか!?ありがとうございます!!」


 ルル様が2人の手を取りぶんぶんと振る。快諾して貰えてよかった。


「まぁ人生長いしの。これくらいの余興があってもよかろ」

「じゃあ練習…する?」

「「お願いします!」」


 こうして4人での特訓が始まった。

 2人が九尾の姿に戻り…私はコリナさんと。ルル様はコルナさんとそれぞれパートナーを作ってまずは乗りこなすところから。


「速度上げる」

「おっとっと」


 少し速度が上がっただけで振り落とされそうになる。ただ乗るだけでも結構難しいのだ。

 でも私の最終目標はコリナさんに乗りながら魔法を使うこと。つまり杖を持っている片手を離さないといけない。そしてこれがすんごく怖い。


「わわわ」

「大丈夫?速度落とす?」

「いえ。このままお願いします」

「わかった」


 少しずつ左手を離して、徐々に離している時間を伸ばしていく。しかし恐怖で中々上手くいかない私にコリナさんがアドバイスをしてくれる。


「…もっとしっかり掴んでもいい」

「…痛くないですか?」

「へっちゃら。気にしなくていい」

「わかりました」


 右手でぎゅっと毛を掴む。すると想像以上に安定して左手を長く離すことに成功する。

 これなら魔法も使うことが出来そうだ。


 ルル様の様子はどうかな?と確認すると「ぎゃあああ!」と大絶叫を上げ、コルナさんは大笑いしている。…まだまだ先は長そうだ。






 それから数週間後…


「はいよー!」

「なんですかその掛け声は?」

「なんとなくです!」

「適当ですね…」


 ルル様が元気よく叫びながらコルナさんの上で笑っている。

 あれから毎日コルナさんたちには付き合ってもらい、ある程度乗りこなすことが出来るようになった。


 ルル様は振り回されることもなくなったし、私も乗りながら魔法を使えるようになった。


 正直今の私たちはかなり強いと思う。コルナさんとコリナさんの機動力に加えて私の魔法、更にルル様は追加でミツキさんやスフィルクスさんも召喚できる。あとズルいと言われそうだからやらないけど、透明カメレオンを使って透明になることも出来る。ズルいからやらないけど。


 ルル様もここ数週間の訓練で手ごたえを感じているのか笑顔が眩しい。


「いい感じですね!コルナさんと走るのは気持ちいいです!」

「わっちたちが人を乗せるなんて珍しいからの。貴重な体験ぞ」

「えへへ~。ありがとうございます!」

「今日はこれくらいにしておきましょうか。あと数日でノウキングダムに着きますので、明日最終調整をしてあとは気持ちを整えましょう」

「う…もうそんなところまで来てしまったのですか…急に具合が…」

「もういい加減諦めてください」


 先程までの笑顔が嘘のように声が小さくなっていくルル様。

 国に戻る覚悟は決めてくれたようだけどやはり嫌なものは嫌らしい。その気持ちはわかるつもりなので私は手を握るだけで強くは言わない。


「では今日は解散かの?」

「はい。明日もよろしくお願いします」

「わかった」


 コルナさんとコリナさんがいなくなる。


 それから日が沈んできたのでリリたちと合流して野営の準備を始める。

 テントの設営も何度も繰り返し行ってきたので、信じられないことにあのルル様でさえ出来るようになっていた。


「あのルル様がこんなに立派に…あの残念な…」

「どーゆーことですかーー!!」


 役割分担も決まってきており、私がお風呂の準備、ルル様とリリでテント設営、トトちゃんが火起こし兼周囲の警戒と、全員が要領よくこなす。


「テント出来たわよ!」

「お風呂もオッケー」

「火の準備もばっちりですぞ」

「それじゃあご飯食べようか」


 マジックバッグからパンと、リリが狩ってきたイノシシ型の魔物の焼いた肉を取り出して食べる。


 最近日中は2人ペアで別々に行動することが多いので、夜はお互いの近況報告をしたり失敗談を話したりして時間を過ごす。


「ふ~ん。お姉ちゃんたちも順調みたいね」

「恥は搔かなくて済みそうですね!」

「あたしたちも最強のタッグに近づきつつあるわ!」

「リリ殿の動きにやっとついていけるようになりましたなぁ」


 どうやらリリとトトちゃんもこの数週間でかなり仕上げてきたらしい。リリはいつもの自信に満ち溢れた顔で、トトちゃんもここしばらくの訓練を思い出しているのか目を瞑りしみじみと頷いている。


 ノウキングダムにいる私たち以外の対戦相手がどの程度強いのかよくわからないけど、簡単に負けはしないだろう。


 そしてリリが突然立ち上がり笑顔で全員を見渡す。あの顔は厄介なことを思いついた顔だ。


「そうだわ!明日模擬戦をしましょう!王位決定戦の前哨戦よ!」


 やっぱり面倒なことを言い出した…



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