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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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51/3634

51:爆ぜた。

※久しぶりにグロ注意?

 いやぁ、参った。

 自分がグロくなるのはいつもの事だけど、見る側になったのは初めてだわ。結構きっついなぁ。

 魔人さんの体が風船みたいに膨らんだと思ったら砕け散って、その破片を浴びて私も死んだっぽい。


 おっと、そういえばまた近くに出ちゃってるのか。潰される前に離れなきゃ。

 あー、ぷるぷる震えちゃってるな。流石にあんな死に方すれば仕方ないか。



「す」


 す?


「……っごい気持ちよかった!!」


 えっ、何この人こわい。

 体の内側から破裂させられた感想が気持ち良いってどういう……


「あぁっ待って待って、ちょっと待って違うのそうじゃないの引かないで逃げないで」


 いや、そんなの引くなって方が無理でしょ。


 とりあえず役場に戻ろうか。兎さん置き去りだし。

 無視していくのは流石に悪いから、ほらいくよーと手招きしてから行こう。




 役場に着いたら再度珠ちゃんを放流だ。たびたびごめんね。


 あれ、中庭にジョージさんが居る。

 兎さんの肩をポンポン叩いて消えたな。なんなんだ。


「戻りましたー」


「来たよー」


「大丈夫? って死んだんだから大丈夫じゃないか。ごめんね、また死なせる羽目になっちゃって」


「いや実行したのは私ですし、ペナルティもありませんから大丈夫です」


 痛いって思う間も無かったしね。



「というか、ジョージさんは何しに来てたんですか?」


「さっきのやつ、近くに居たから避けきれずにちょっと肋骨を二、三本貰っちゃったんだけどね」


 肋骨を貰うって表現、初めて聞いたわ。


「いきなり現れて怪我を治してくれたんだ。帰り際に頑張れよって肩を叩かれたけど何だったんだろうね」


「振り回されて苦労してるって思われたんじゃないですか?」


「うん、それはまぁ否定出来ないな」


 私もジョージさんに迷惑かけてる自覚はあるからなー……

 でもわざとじゃないんだよ。



「あと一つ聞きたい事があるんですが」


「何かな?」


「この人って痛いのが気持ち良い人だったりするんですか?」


「へっ!? え、お前、そういうアレなの?」


「えっ、何? 私妖精さんの声聞こえないから、話が解らないんだけど?」


「いや、痛いのが気持ち良い人なの? って聞かれたんだけど」


「いやいやいや、誤解誤解!! さっきのはそういうのじゃないの!」


 えー? でも確かに、指を持っていかれた時は普通に痛がってたな。



「どうしてそんな事を?」


「さっき復活した時の第一声が『すっっっごい気持ちよかった』だったんですよね」


「えぇ…… お前、破裂して気持ち良いって頭大丈夫か?」


「いや、確かに言ったけどさー。あんたも受けてみたら解るよ?」


「嫌だよ、誰が好き好んで砕け散るんだよ。しかも妖精さんが巻き添えになるじゃないか。言葉で説明してくれよ」


「まぁそりゃそうなんだけどさ。えっとね、痛みは最後まで全く無かったんだよ。むしろ逆だったね。さっき妖精さんにふーってやってもらった時、気持ちよかったでしょ?」


「ん? あぁ、そうだな」


「あれの強力なのが全身に行きわたる感じ? マッサージが気持ち良すぎて寝ちゃったような感覚で、気付いたら噴水だったよ」


「ほー。そう言われれば少し興味は……いややっぱ無いわ。妖精さんもやらないって言ってるし」


 両手でバッテンだ。こっちだって人を爆破したくなんてないよ。




「でも、流し込んだらああなっちゃうとなると困りましたね。さっきので何か掴めましたか?」


「ううん、気持ちよかっただけでよく解らなかった。駄目かぁ」


「さっきのって、一気に送り込んだから爆発したんですかね?」


「判んないけどそうかも? それじゃ今度はちょっとずつ入れてみて貰えるかな?」


 予告なしに突き出してくるんじゃないよ。ビックリするじゃないか。


「良いですけど、さっきの事もありますし安全は保障できませんよ?」


「大丈夫大丈夫。今日はどうせ狩りに行かないしね! ステータス低下なんて気にしない!」


「いや、経験値は気にしてくれよ。あんまり無茶されると何故か俺まで文句言われるんだからな?」


「減ったら稼げば良いんだよ。それじゃどうぞ!」



 兎さんも大変だなぁ。

 いや、他人事みたいに言ってるけど、殺したの二回とも私なんだけどね。

 まぁ置いといて、それじゃ両手で指先を掴んでと。


 流し込み過ぎないように、目を閉じて集中していこう。

 ちょっとずつちょっとずつ……


「ふわぁ~……」


 いや気持ち良くなってないで集中してくれ。


「お前な、真面目にやれよ」


 ペチッて聞こえた。頭をはたかれたか。


「ん? 何か妙な……」


 兎さんが何か気になったみたいだけど、どうしたんだろ?

 まぁいいか。とりあえず私は流すだけだ。


「んふぅ~、とろけるぅー」


 おいこら。

 ん? なんか掴んだ指先の感触がおかしい……?

 そういえばまた魔力が帰ってきてないぞ。これヤバくない? 目を開けた方が良いかな。



 あっ。これヤバいどころじゃない。なんか魔人さんが柔らかくなって輪郭が崩れ始めてる。

 ちょっ、こっちに倒れてきた!? ええい、【跳躍】!


 あぶなー、また死ぬところだった。真上に飛んだみたいだな。

 うわぁ、とろけるぅーって言ってたけど本当にとろけてるじゃないか。

 あぁ、もう肌色のスライムみたいになって……


 あ、駄目だこれかなり精神に来るわ。中身が表に来て赤黒くなったりしてないだけマシだけど。

 あんなになってるのに気持ちいぃー……とかあはは……とか言っててマジで怖い。完全にホラーじゃないか。

 ていうかどうやって声出してるんだアレ。 



 あ、兎さんが吐いてる。そりゃ知り合いがあんなんなったらそうなるわ。

 というか、私もヤバい。あ、無理。出る。


 ふぅ…… 今更だけどこのゲーム吐けるんだな…… 誰が得するんだよ、この仕様は。

 てかね。うん、本当にごめん魔人さん。混ざった。


 あ、消えた。……私のが混ざったせいじゃないよね?

 うん、多分普通に死んだだけだよね。きっとそうだ。


 ん? 私が口から吐いた……? なんか嫌な予感がするぞ。

 ちょっとパネルを……


──────────────────────────────

 【溶解吐息(アシッドブレス)

  口から強酸の魔力を吹き出し、吹きかけられた者を溶解させる。

──────────────────────────────


 やっぱり増えてるじゃないか!

 魔力込めた覚えもないし一回しか出してないよ!!


 もう開発が何考えてるかさっぱり解らないよ!




「ただいまー!今のも気持ちよかったー! あれ、二人とも元気無いねー?」


「お前なぁ…… あんなもん見せられて元気な訳ないだろ……」


「よく解んないけど、なんかごめん。あっ、妖精さん。やっぱり魔力は判らなかったよー」


 うん、完全に負けてたしね。知ってた。

 あと気付いてないっぽいので、かけちゃった事は黙っておこう。そんな事実は無かったんだ。




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