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4:職業を選ぼう。

 一通りの質問を終えたのを察したカメリアさんが口を開く。


「質問は以上でよろしいですか?


 それでは次に容姿の設定に移りましょう。こちらのパネルをどうぞ」


 画像編集ソフトの色設定画面のような色表と「明るさ」のスライドバーが表示されたパネルを渡される。



 質問している間もずっと横で微動だにせず立ち尽くしていた自分と同じ姿(翅以外)のアバターを改めて見てみる。


 百八十センチ越えの長身と無駄に鋭い目つきで怖がられて友達が出来なさそうな奴だな。

 背中のファンシーな翅が絶望的に似合ってないぞ?

 ……悲しくなるだけだから自虐はやめよう。



「まずは髪の色を指定してください」


 髪色かー。どうしようかな?

 かなり迷った末に明るい緑を指定する。


「髪の長さは変更致しますか?」


 リアルと同じ様に腰まで伸びている緑の髪。

 背中の翅に覆い被さっていて邪魔そうなので肩の辺りまで短くしてもらった。


 続いて瞳の色を聞かれたので髪より少しだけ濃い緑に。



「他に調整したい部位はございますか?元の状態からあまり大きく変更することはできませんが」


 何かあったかな?あ、そうだ。


「目つきを出来るだけ穏やかにできませんか?怖がられることが多いもので」


「はい。 ……これが限度ですがよろしいですか?」


 手元のパネルを操作して少し困った笑顔のカメリアさん。


 うん、かなりマシにはなっている。

 目が合った子供が泣き出したりしないくらいには。



「十分です。あと…… む、胸とか……」


「はい。こちらのスライドバーを動かすことで調整できますのでどうぞ」


 と画面の一部を指しつつパネルを渡してくる。

 やめて!「あらあらー」って感じの凄く優しい眼差しで見ないで!


 少し精神をすり減らしつつ「ほぼ無い」から「無いわけでも無い」くらいに増量。

 パッと見殆ど変わってない。


 あんまり盛るとお姉ちゃんにすぐバレて同じような顔をされそうなので自重したのだ。

 ……嘘です。これでもMAXまで動かしました。



 ちくせう。





 パネルを返してもう変更は無いと告げる。


「それでは、次に職業を選択して頂きます。こちらの一覧をどうぞ」


 職業がズラッと書かれた少し大きめのパネルを渡される。やたら多いな。


「【剣士】、【拳士】、【弓士】、【魔法士】、【癒術士】、【召喚士】、【鍛冶師】、【裁縫師】……」


 適当に声に出しながら流し読む。


「【測量士】なんてのもあるんだ」


「はい。未開の地ですので地図の作製も必要な作業の一つですね。

 とはいえ実際に測量する訳ではなく、常時発動(パッシブ)の職業スキル【測量(マッピング)】により自分の通った付近の地図を自動的に記録することができます。

 記録した地図は職業特性によりメニューからいつでも確認できる他、開拓本部にて地図情報の買い取りも行っております」


 ほー。というか【測量士】以外はマップは見られないのか。



 続きも見ていく。


「【農家】、【炭鉱夫】、【漁師】、【無職】…… いやいやいや、職業一覧に【無職】って何ですかこれは」


「通常の職業の場合専門分野に大きなボーナスが付き、似たような系統の分野に小さめのボーナスが付きます。

 逆に不得意な分野には多少のペナルティが付きます。


 例えば【剣士】の場合ですと剣での戦闘に大ボーナス、その他の近接武器での戦闘に小ボーナス。

 そして魔法の使用にペナルティが付きますね。


 また、通常はそれぞれに専用の職業スキルを持っています。


 しかし【無職】はそれらが一切ありません。

 何でも出来ると言えますし、何も出来ないとも言えるでしょう」


 職業版【人間】って事か。

 しかし名前は何とかならなかったのか……




 さて、一通り見たけど何にしようかな。

 ステータス的には完全に魔法系なんだけどペナルティあるみたいだから候補に入れづらい。

 自前の妖精魔法もあるしね。

 あ、でも前衛だと妖精魔法も苦手になるのかな?


 聞いてみたらペナルティ対象に含まれるらしい。

 うーむ。残るは後衛物理、採取、製造系って所か……


 あ、【無職】は無いです。



 そういえば【召喚士】の術も妖精のペナルティ対象なんだろうか?

 ていうかどんなのが召喚でき(呼べ)るんだろう?


「はい。【召喚術】の場合は発動コスト、維持コストが共に三倍となります」


 ダメかー。


「呼べる召喚獣ですが、初めは犬や猫などの動物や低ラ 「召喚士()で」 等しか呼べませんが…… えっ?」


召喚士()で」


「あっ、はい。 ……ええと、一応先ほどの説明を初めから繰り返させて頂きます。

 初めは犬や猫などの動物や低ランクの魔物等しか呼べませんが、【召喚術】のレベルを高める事で様々な者を呼び出すことが出来るようになります」


 猫に食いつきすぎた。

 家はペット禁止だし、野良猫は全力で逃げていくし、近所の猫カフェは(何もしてないのに)猫に怯えられて出禁になった……

 猫に飢えてるんだよぅ!


 あ、犬も他の動物(モフモフ)も好きですよ?ただ猫が一番好きなのです。



「順序が逆になりましたが【召喚士】の説明をさせて頂きますね。

 職業分類は魔法系で魔法に小ボーナス、剣などの近接物理戦闘にペナルティが付きます。


 職業スキルは【召喚術】で、契約した召喚獣をMPを消費して呼び出すことができます。

 召喚獣を呼び出している間は召喚に使用したMPの約半分が維持コストとなり、その分のMPは回復する事が出来ません。

 なお、基本的に召喚主が死亡したりログアウトをした場合は送還されます。


 また、【召喚術】のレベルを上げることで契約可能数と同時召喚数が増加していきます」



「契約?」


「【召喚術】で呼び出す相手は「指定した種族」ではなく、その中の「特定の一個体」となっております。

 その個体を指定するのが契約です。指定とは言っても選べる訳ではありませんが。

 契約した召喚獣はプレイヤー達と同じように各々がレベルを持ち、経験を積むことによって成長していきます。

 同種の別個体を呼び出したい場合には、もう一枠使って新たに契約して頂く必要があります」


 「仲間」を呼びだすんだな。

 で、自分のレベルが上がると一杯呼べるようになると。



「それでは、【召喚士】でよろしいですね?」


「はい。お願いします」



 モフるぞー。モフモフするぞー。



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