3609:ぎゅむぎゅむ試そう。
よし、これで四人全員に発動出来たね。
「どっちにしろ同じ事なんだから諦めなー」
「ん?」
「『これじゃ結局潰されるじゃないっすかー』って文句言ってるからさ」
「あー……」
まぁうん、それはそうだろうね。
サキさんと同じ大きさだったとしてもダメージの受け方が違うだけで、カナメさんとミカさんが酷い目に遭うってところに変わりは無さそうなんだよね。
あ、ミカさんが首根っこをむんずと掴まれた。
種族を意識した訳じゃないだろうけど、ねこちゃんみたいな扱いだな。
まぁ本物のにゃんこ相手にやるのは、仔猫じゃない限り自分の体重で怪我しかねないからダメらしいけど。
ぷらぷらと揺らされたミカさん、サキさんの指示なのか膝を抱えて身体を丸めてるな。
正直小さすぎてよく見えてないけど、サキさんから見ると大体バレーボールくらいの……
うん、大きさなのかなーとか思ってたら、おにぎりみたいにギュッと圧縮されたね。
流石サキさん、実害が無いのもあって躊躇なく行ったな。
「おぉ、確かに戻ってるな」
「そうなの?」
私からじゃよく判らないので、しっかり見えてるアヤメさんに教えてもらうしかない。
「『スポンジみたいで面白いなこれ』って言ってるな」
「……程々にしてあげてくださいね?」
細かい動きはよく見えないけど、多分むぎゅむぎゅと握っては緩めてを繰り返してるんだろう。
別に痛くないとはいえ少しは容赦してあげた方が良いと思うんだ。




