3608:繊細な操作を要求されよう。
「それじゃ続きやっていきますんで、発動したって感じたら合図お願いしますねー」
「はいよー」
今のサイズならまだかろうじて聞こえるけど、流石のサキさん達の声量でも効果が出るサイズじゃ無理だろうからね。
まぁその為にアヤメさんが途中まで一緒に小さくなってくれてるんだから、別に口で言ってくれても大丈夫ではあるんだけど。
……危ない危ない、自動発動を一旦オンに戻しておかないと。
うっかり忘れたままだったら、「あれー?」とか言いながら延々と縮め続ける羽目になるところだったよ。
まぁそうなったらなったで、アヤメさんがすぐに気付いて何やってんだコイツって顔でツッコんでくれるだろうけど。
「大丈夫そうですかー」
少しずつ四人を小さくしていって、二年生コンビがぴょこぴょこ跳ねるのを見て魔力をストップする。
「サキがもうちょいだとさ」
「あ、はーい」
どうやら縮む効果の僅かな個人差が、発動するサイズとしないサイズのギリギリのラインに引っかかったらしい。
……カナメさんたち、どれだけ素早くアピールしてきたんだろうか。
「あと『そこのうるさい奴らはもっとやっといてくれ』だそうだ」
「……すっごい抗議してるっぽいからちょっとだけですよ」
「伝えておいて何だけど、ちょっとはやるんだな……」
それはおかしいでしょとばかりにアピールしてきてる二年生コンビだけど、厳しい先輩の前で懲りずに元気にはしゃぎ過ぎるからそうなるんだってば。
……ちょっとだけって言ったのに思ったより小さくしちゃったけど、微調整が難しいので今回は諦めてもらうとしよう。
サキさんやハルカさんの膝より少し上くらいみたいだから、大体三分の一ってところなのかな。
うん、さっきサキさんも言ってたし、こっちから見たら誤差だからって事で。
絶対バレてるけど何も気付いてない様な顔をしておこう。
アヤメさんもツッコんでこないしセーフセーフ。




