3503:奥に入れと勧めよう。
「念の為に訊いておくが、どういった物が良いという好みは有るかな?」
「私は動き易ければ何でもって感じですね」
「お任せします」
「うむ、ならば任された」
二人とも私ほどじゃないだろうけど、着る物には無頓着なタイプなのかな?
まぁ単に貰う立場で贅沢言う気が無いって割合の方が高そうだけど。
「おっと、半端な位置で立ち止まらせたままで済まんな。楽にするが良いぞ」
「それ立場的に合ってるのか合ってないのか解り辛いですね」
「うむ、私もそう思う」
ちょっと考える顔でツッコんでみたら、アリア様もふははと笑顔で同意してくれた。
偉い人が楽にして良いよって言うのは解るんだけど、ここ一応私の家でアリア様はお客様って状況なんだよね。
多分お客様がどうこうより偉さの方が優先されるだろうからあんまり間違ってないとは思うんだけど、ただ私が遠慮してるだけで【妖精】って生き物の立場が無駄に高く設定されてるせいで、変に複雑になってるのかもしれない。
あ、ちょっと目を離してる間にあのでっかい脚立が消えてる。
あのサイズを片付ける動きを気にさせないの凄いなって思ったけど、そもそも護衛対象が喋って動いてても見つけられないレベルで隠せるんだから完全に今更な話だった。




