3337:困惑させられよう。
「んー? どしたのかなー?」
元の音が小さいから【聴覚強化】でギリギリ聞こえてる感じだけど、元の顔に戻った五所川原ちゃんがぷすぷす鳴いてるっぽい。
怒ったりしてる時はぶーぶー鳴くらしいし、そろそろ降ろせとか言ってる訳ではなさそうだけど。
「鳴き声も可愛いねぇ」
「愛嬌有るよな……ってなんでだよ」
「敵だと思われてんじゃない?」
隣のお姉さんが褒めるのに同意したお兄さん、何故か再度前歯を見せつけられてるな。
別に愛嬌が有るって言うのはNGワードじゃないだろうし、ラキに対するお姉ちゃんみたいなポジションになっちゃったんだろうか。
「なになにどしたの」
「何が?」
召喚士のお姉さんが唐突に何か言い出して正面のお姉さんが戸惑ってるんだけど、本当に何がどうしたっていうんだろう。
「大丈夫だってばー」
「だから何が?」
「いや背中の子が自分も構ってほしそうだからさ」
「あー……ってずっとそこ入ってたの?」
「うん」
言われてみればお姉さん、なんかリュックみたいなの背負ってるな。
そっち側からうさちゃんだけずるいぞみたいなアピールされたのか。
……なんで背負ってるのかっていう新たな謎を提供しないでほしいんだけど、別にそこまで深い意味は無いんだろうな。
多分中がふかふかの快適空間だったりするんだろう。




