3156:人の努力を無に帰そう。
「うおーっ、もうちょい右っす右ー!」
んん?
……あー、みけちゃんに運んでもらったカナメさんが上から来る車の下敷きになりそうになってるのか。
直接見えない位置からやってるとはいえ、自分の能力で動かしてるんだしちゃんと把握はしてるだろうし大丈夫じゃないかな?
まぁそうは言っても、ある程度離してもらわないと怖いものは怖いか。
大きさが違い過ぎて距離感もいまいち解りづらいだろうしね。
「ちょちょちょい逆っす逆ー!」
……みけちゃん、ちょっと遊んでない?
いや実はきっちり把握は出来てなくて、右って言われても自分から見てどっちなのってなった可能性もゼロではないけどさ。
しかしハルカさん、全然喋らないけど大丈夫なんだろうか。
「うす、私は心配要らないっす。ありがとうございますっす」
……話が早いのは良いけど、チラッと見ただけで思考を読まないでくれないかな。
まぁ露骨にそういう顔してたって事なんだろうけど。
「ったりめーだろーがよ」
「おめーからデカくて頑丈なの取っ払ったら何が残んだよ」
「下手な事言うとこうなるんで黙ってたっす」
「……なんというか、ごめんなさい」
「いえいえ、いつもの事っすから」
先輩たちに絡まれない様に大人しくしてたのを、私がわざわざつっついちゃったらしい。
末っ子ポジションっていうのもなかなか大変なんだなぁ。




