3128:高所に居る事を忘れよう。
「おっ? とと」
「ほれ、もうちょっと離れときなよ」
「押すなって。あんたと私の仲だろー?」
「他人って事だな」
……アヤメさん、相変わらずやたらと気に入られがちだな。
まぁこの場合はどちらかというとレティさんと同じで、つつくと面白い奴みたいな方向性な気がしなくもないけど。
「とりあえず大丈夫そうだし、私の分は消しておこうか」
落ちない様に小さく作ったドームだから、このまま大きくしていったらすし詰め状態になっちゃうからね。
「消すのは良いけど、これ以上大きくするのはちょっと待ってくれよ?」
「ん?」
「いや落ちるだろ。せめて移動させるか他の指も寄せてからだろ」
「……それもそうだね」
「笑って誤魔化そうとするな」
ロシェさんが作った分も有るから下まで落ちはしないだろうけど、足場が透明なのはちょっと怖そうだもんね。
とりあえず反対の手を下に添えつつ指をゆっくり閉じていこう。
あとアヤメさんは多分言わないでおいてくれたんだろうけど、似合ってないぞってちゃんと言ってくれて構わないよ。
自分でもそう思ってちょっと恥ずかしい気持ちになってるところだから。




