3120:どっちをやるにも気を付けよう。
「見るのは良いけど大人しく見てろ」
「あーい」
「見られてるだけで圧すっごいんすけどね」
それはまぁカナメさんの言う通りだろうけど、恥ずかしいとかじゃなければ害は無いから気にしないでおこう。
そもそも最初から同じサイズの私が見てるんだし。
いや二人に増えた上に挟まれてるんだから多少話が違ってくるかもしれないけどさ。
……ただこの人の場合本当に害が無いかは怪しいから、こっちで気をつけておく必要が有りそうだけど。
いやまぁ冗談半分で言ってるだけで勝手に変な事したりはしないだろうけどさ。
多分。
「よっしゃ、それじゃやってみよっか」
「はーい。ちょっとずつやった方が良いですよね?」
「ん? 全力でやっときゃ良いんじゃね?」
「いやせめて普通くらいにしといてくれ……」
うん、私が頑張ったらなんかうっかり狙った事以外に魔力が流れたりしそうで怖いしね。
私は自分をあんまり信用してないのだ。
「あと一応言っとくけど、解除せずに普通に戻すなら気を付けろよ?」
「ん?」
解除せずにっていうのは、元の大きさに戻さずに調整でって事だよね。
「あんた一気に全員デカくして覗いてる自分の顔吹っ飛ばしかねないだろ」
「……うん、なんかやりそうだなって想像付くね、うん」
指の上から自分と同じサイズの人が六人もボンッて飛び出して来るのは危な過ぎるし、私に直接当たらなくてもお互いに押し合って全員吹っ飛んで行きそうだし。
いやその場合もこっち側に吹っ飛ぶ人に巻き込まれて死んじゃうんだろうけど。




