3118:息はきちんと合わせよう。
「それじゃ動きますねー」
一応声をかけてから、普通に立つというか浮く姿勢へ移行しよう。
こっちから見やすい様にある程度顔に近付け……過ぎるとちょっと手首が疲れそうなので、胸の前に近付けて真上から見る感じにしておこう。
爪の上だったら目の前にも持って来やすかったんだけど、逆側だからなぁ。
うん、立ってた場所が空洞になってたりしてないし、あんまり意識してなかったけど体の内側までちゃんと固定出来てたっぽいね。
意識してなくても侵食してるって方がある意味怖い気がするけど【妖精】だから仕方ない。
「固定してるのを解除するんで、気を付けてくださいねー」
「はいよー」
この面子なら急にパッと解除しても転んだりしないだろうけど、声かけは大事だと思うのでやっておく。
やらないとアヤメさんにあんたさぁってイジられそうなのもある。
えーと、ドームの方は消さない様に、と。
「おりゃー!」
「わわっ!?」
「バカおまっ」
……解除した瞬間にミカさんだけ中断されてた放り上げを続行したらしく、反対側にしゃがんでたカナメさんにハルカさんの巨体が襲い掛かってる。
ほんと息が合ってるんだか合ってないんだか判らない人達だよ。




