3112/3633
3112:無理な追い越しは咎めよう。
「まぁ別に何か問題が有る訳じゃないから、移動するのは別に良いけどさ」
「あたっ」
「ふなっ」
特に逆らう理由も無いって事で、人の耳元で普通の声量を出してた二人にうるせーよとデコピンを叩き込んでから素直に歩き出すアヤメさん。
その大きさでも五人は流石に狭いと思うけど、くっついて気を付けてさえいれば落ちはしないかな。
あ、そうだ。
「お、珍しいな」
「私だってたまには気付くんだよ」
人差し指の先を包む魔力のドームを生成して、一応の落下対策をやってみた。
包むというか、小さめのピンポン玉に指の腹がめり込んでる様な感じかな?
「一番乗りぃぁーっ」
「危ねーだろバカ」
「危ないのはあんただよ」
……指の上でサキさんとアヤメさんを追い越そうとして、綺麗な回し蹴りで吹っ飛ばされるカナメさん。
隣の中指にぶつかって下まで落ちちゃったけど、特に出来る事は無いので頑張って登り直すのを見守っておこう。
というか一番乗りに何の意味が?




