3048:お誘いは遠慮しておこう。
「ぴゃー」
「はいただいまー……って言うには早い気もするけど」
「細かいなぁ」
まだテーブルには微妙に距離が有る位置でぴーちゃんの熱烈なお出迎えをモフッと受け、どうでも良い事を呟いてロシェさんにツッコまれる。
実際出て行って戻って来たのは事実なんだから、「ただいま」で何も問題無いとは自分でも思う。
「ほらほらこっちも空いてるよー」
「ぴ? ぴゃー……ぃぅ」
うん?
ロシェさんに呼ばれて一瞬元気に抱き着こうとしたっぽいけど、なんか急ブレーキがかかったな。
「どしたの? ……あー、はいはい」
あぁはいなるほどね。
背後のゆばちゃんに遠慮しちゃったのね。
遠慮なのか「ずるいです」とか「私のです」みたいな妙なプレッシャーに負けたのかは気にしないでおこう。
あ、ゆばもおいでーって一緒にくっつく事で解決してる。
平和的で大変よろしいって感じだね。
……ん?
「いや私は別に良いからね」
ゆばちゃん、そんなどうぞどうぞまだ空きは有りますよみたいな視線を向けられても困るんだ。
確かにゆばちゃんなら三人くらい普通に抱っこ出来そうというか出来るだろうけど。
「えー」
「ぴぇえー?」
「また器用な鳴き方を」
多分ロシェさんの真似してみたんだろうけど、頑張ったらオウムとかみたいに喋れるんじゃないかぴーちゃん。




