3046:歩かない人を回収しよう。
「それじゃ妖精さん、変なのは回収してくから」
「ごめんなさいねー」
「いえいえ」
「頑張ってねー」
ロシェさんの「頑張って」っていうのは、生産作業とお姉さんへの対応のどっちなんだろう。
いやどっちでも良いというかどっちも頑張る必要が有りそうだけど。
疲れてても変な行動力だけは残っちゃうタイプっぽいし。
「またねぇー……」
「お前にまたの機会は無い」
「無事に朝日を拝めると思うな」
「こわい」
相変わらず仰向けに寝転がったままでこっちに手を振って、必要以上に脅されるお疲れお姉さん。
言い方はともかく、まためんどくさい事するんじゃないぞって言われちゃうのは仕方なさそうだね。
「よいしょっと」
「いたたたた」
おぉ、容赦なく引きずり始めた。
「うるさいよー」
「嫌なら自分で歩けー」
うん、それはそう。
というか訓練場はある程度整備されてるからマシだけど、表に出たら石畳で服も体もゴリゴリ削られるのでは。
さて、それじゃ私達もテーブルの方に……
「ぉうっ」
「あ、ごめん」
なんか入り口のちょっとした段差に後頭部をゴンッとやらかしてるのが見えたけど気にしないでおこう。
半分くらいは引っ張られる側の油断も有ると思うし、そもそも私関係無いし。




