3024:ぽてぽて乱入しよう。
「翅はどうしよっか」
「いや私に訊かれても……」
何かに使えるって事も無いだろうし、処分するしかないんじゃない?
「完全に被せずにそれ背負うくらいなら許されるんじゃない?」
「おっ、なるほど」
鬼のお姉さんが突然敵に回ったぞ。
いや別に私に寄せなければ問題無いんだし、敵って程の事ではないけどさ。
「もしくは頭に着けるか」
「どういう生き物?」
「ごめんテキトー言ったわ」
……うん、流石にどうくっつけても馴染まないと思うな、うん。
髪飾りっぽく見えるサイズならまだしも、数十センチはある品だもん。
ウサ耳的な扱いをするにしてもちょっとデカいよ。
「お?」
「かわいー」
あれ、なんか珠ちゃんが一匹でぽてぽて歩いて来た。
一緒に遊んでたういろうちゃんとすあまちゃんが帰っちゃったから、のんびりおさんぽでもしてるのかな。
「おー? なにか用かなー?」
「あ、ズルい」
何やら狐のお姉さんの足下に近付いて行って、んぬーと一鳴きする珠ちゃん。
どういうつもりなのか解らないけど賢い子だし、何かしらの意味が有るんだろうな。




