3018:屈託なく宣言されよう。
「うん、大体こんなものかな……?」
何やら目視で計測されている。
身長と翅のサイズ比が合ってるかとかの確認だろうか。
そんなのは個人差も多少有るんだし、大体合ってたら良いのではって思っちゃうな。
私が大雑把なだけでこだわりが有る人だって居るだろうし、口には出さないけどね。
とりあえず、目の前に出されちゃった以上は確認しておこう。
「えーと、それは何の為に……?」
「妖精さんコス!」
「あ、はい……」
……当の本人に向かって堂々と、元気いっぱいの宣言はどうかと思うよ。
いや別に悪い事をしてる訳じゃないとは思うけどさ。
む、また何か鞄から……
「この色で合ってたよね?」
「……多分大体合ってますね」
あんまり無邪気に楽しそうにされると私とお揃いの水着を取り出されてもツッコミづらいから、もう少し申し訳なさそうというか控えめに出来ないものだろうか。
出来ないんだろうな。
「自分で言うのも何ですけど、人前というか街中でその恰好するつもりですか……?」
確かにそれが【妖精】の一般的な服って扱いなのかもしれないけど、どう見ても水着でしかないんだよね。
初期装備で元気に飛び回ってるのなんてカトリーヌさんくらいだぞ。
「んー? イベント会場ならそこまで珍しくもないし、ゲームの中だから似た様なもんじゃない?」
「いやそれはどうなんですかね……」
微妙に完全な否定がしづらい事を言わないでほしい。
確かに現実世界じゃないんだからはっちゃけてみたいって人だって居るだろうけどさ。
というか行った事なんて無いから全然知らないんだけど、コスプレイベントだとしても流石にこのレベルの露出具合はそこまで多くないんじゃないかな……?




