2959:唐突過ぎて置いていかれよう。
さて、他に何か面白そうな事をしてる人は居るかなーっと。
……いや本当は面白さを求める場面ではないんだけどね。
一応自分のレベルアップの為に他の人の訓練方法を参考に出来ないかなって見学して回ってる訳だし。
でもまぁ楽しくないよりは楽しい方が良いよねって事で気にしないでおこう。
「そういえば白雪ちゃんってお絵描きは出来る方?」
「え、いきなり何ですか? 少なくとも上手ではないと思いますけど」
「そっかー」
ロシェさん、あまりにも唐突過ぎる。
周りを見ても特に絵を描いたりしてる人は居なさそうだけど、どうしてその話題が出てきたんだろうか。
「……え、本当に何だったんですか?」
何か以外な関連性でも出てくるのかと思ったら、そっかーで納得してそのまま黙っちゃったんだけど。
もしかして、本当にただなんとなく訊いてみただけだったのか。
「いや、妖精さん手書きのイラストとか高く売れそうだなってちょっと思って」
「……少なくとも人からお金を取ろうと思える腕は無いですよ」
まぁこの世界だと上手とか下手とか関係無く、【妖精】が作ったってだけで無駄に価値が出ちゃいそうだけどさ。
役場で【錬金術】の練習で作った変な置物がお姫様の部屋に飾られるくらいだし。
ただ私の絵が高く売れたとしてもロシェさんの懐には入らないから、そこは自分で頑張った方が良いと思うよ。
いや本当に儲け話だと思って言ってはいないだろうけどさ。
別にそんな事しなくても、【妖精】ならお金なんて稼ごうと思えばいくらでも稼げるんだし。
……普通の種族で働いてる人達に言ったら叩き落されそうだから絶対に口には出さないでおこう。




