2956:気にするのをやめて引き渡そう。
……うん?
よく考えたら、元々事故が多そうなところに更に縁起の悪い物を足しちゃってるのは余計に良くないのでは?
いや私が【妖精】に対してそういうイメージを持ってるだけで、別段そんな事は無いんだろうけどさ。
まぁもう触った以上は気にしてもしょうがないので、大人しくそのまま引き渡す事にしよう。
渡すって言ってもこんな大きいものを持ち上げられる訳がないから、邪魔にならない様に離れるだけなんだけどね。
「どうぞー」
「うん、ありがとう」
十分に離れたら、必要無さそうだけど一応声をかけておく。
何か損する訳じゃないんだから、やらないよりはやっておいた方が良いよねの精神で。
「おー……って近い近い近い!」
……手に取って確認しようとしたお兄さんの背後から、抱き着く勢いで覗き込みに来るヤバめのお姉さん。
後で見せてあげるからあんたは大人しくしてなさいと二人がかりで引っぺがされて回収されていった。
実際あんまり勢いよく突っ込んで来られると、お兄さんがバランスを崩したりしたら近くの私達が危ないから勘弁してほしいかも。
体が直接ぶつからない距離でも、今は割と長めの物を持ってる状態だから届きかねないしね。




