2907:ぬくぬくの誘惑を振り切ろう。
「そんな事よりいい加減に移動しない? いつまでやってんだって顔されてるわよ」
「いや別に良いんだけどな。思ってないとは言わないけど」
うん、完全に呆れてるのを隠そうともしてないねアヤメさん。
事実だからしょうがないんだけど、今回私は悪くない筈だからその目をこっちにまで向けないでほしい。
あとぴーちゃん、ここ空いてますよとみけちゃんのお腹をぽふぽふしない。
確かにそこにもふっと埋まってぴーちゃんの羽をふわっと乗せてもらえば極楽なんだろうけど、今はそこまでのんびりする時間でもないからね。
「よーし、それじゃお姉さんにお任せだよ」
「わ、っと…… これは新鮮ですね」
「重さは関係無いんだから不思議な事じゃないんだけど、凄い絵面ねぇ。あと貴女、そんなに年上でも無いでしょ」
エクセルさんのお腹の前で半分固定されてたロシェさんが、後ろに手を回して背負う形でふわっと浮いて行った。
そういえばエクセルさんは飛ぶのがあんまり得意じゃないから、運んでもらう方が楽ではあるのか。
というかロシェさんは何故お姉さんぶっていったんだろうか。
まぁ多分その場のノリで言っただけだから、気にするだけ無駄なんだろうけど。




