2894:無駄な勝負は避けていこう。
「よっしゃ、んじゃ許可も出た事だし勝負だな!」
「いやだからやらないって。ってか趣味でやってるんなら自分に有利過ぎるだろそれ」
「ん、それもそうか?」
まぁ確かに、経験者が素人に勝負を挑んでるって考えると大人げない感じかも。
「……いや、アヤメも役割考えたら普段から色々登ったりはしてんじゃねぇの?」
「気付きやがった」
あぁ、言われてみればその通りだな。
偵察係も兼ねてる以上、木とか崖とかの障害物を昇り降りする必要も有りそうだもんね。
まぁ今はそこまで遠くに行ってないんだし、街の近くだとそんな地形はあんまり無いと思うけど。
それにもっと小さい状態でラキとかと戦ってる時は、仕方なくとはいえくっついて登っていってるみたいだし。
……とはいえラキが相手だと、体にくっつける程のチャンスもそうそう無いだろうっていう問題が有るけどね。
「まぁどっちにしろやらないぞ。休憩しながら頑張れ頑張れ言っといてやるよ」
「そんじゃタイム記録頼むわ」
「どうやってだよ」
うん、ストップウォッチなんて無いし感覚でっていうなら別に自分でやれば良いだけだよね。
というかそんな記録を残して何の意味が有るというのか。




