2891:自信の程を披露しよう。
「よし、それじゃ行くぞー」
十分に気合を溜めたらしいサキさんが手を振りながら宣言して、それに視線だけで答えるカトリーヌさん。
あれって頑張ると魔力と同じ様に光るんだなぁ。
流石に【妖精】と違って、あんな照明代わりになりそうな輝き方はしてないけどね。
む、右手を左の腰の辺りに下げて……?
「せいっ、はぁっ!」
おぉ?
右上に振り上げてから、上から下にまっすぐ振り下ろした。
「もう一丁!」
で、最後はまっすぐ右ストレート……というか正拳突きか。
いや、振ってた時から手は握ってなかったっぽいし、手刀と貫手ってやつなのかな?
二人はパンチをそのまま遠距離に飛ばしてる感じだったけど、サキさんは打撃じゃなくて斬撃と刺突を放ったっぽいね。
「おぉ、凄いな。ちゃんと切れてるじゃないか」
「あれをちゃんとって言って良いもんかねぇ」
おー、僅かだとしても本当にダメージを与えられたのか。
確かに微妙にとはいえ、唇が切れて血が滲んでるっぽい。
……というか最後の突きって、切った所に追い打ちで刺してたのかな。
いや別に何も間違った事はしてないとは思うけどさ。




